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伝説の超ニート トロもず
伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:Ruineme Inquitach 記録014

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「・・う・・・うぁ・・・・・・」

・・・・嫌だ。やめろ、やめてくれ。違うんだオレはお前を・・・・・

「レックうううううー。お前は俺を恐れてた、憎んでいた。頭のおかしい異常者だと思ってた。お前は俺を助けようだなんて思ってなかった、楽しかったんだろぉお?見下していた。蔑んでいた。死体を傷付けて玩具にして――」

嫌だ。嫌だ。違う、違う!違う!

「そりゃ楽しいよなぁー。相手は死体だからな。動きもしないから抵抗もしない。拒否されることもない。でも考えてみろよ・・・腹を掻っ捌かれた友達の死体に欲情するなんてそれこそ異常だろ?」

・・そんな・・・なんで。なんでこんなこと。違う、嫌だ・・・オレは・・・!

「あっははははははは。・・お前も同類だよ。ふふふっ・・・なあレック。俺を助けたいなんて嘘だ。お前は俺が欲しいだけ。今のあいつじゃ満足できないだけ。自分を保つために俺が必要なだけだ!」

「違う、違うッ!!そんなこと思ってない、そんなことッ・・・!!」

「あっはっはっはははは・・・ひどいよレック・・・レックううううレええええーーックぅううううううーーーーーっ!!」

ついに全身に突き刺さる言葉の痛みに負け、レックは剣を取り落として頭を抱え込んだ。その様子を見てソロは勝ち誇ったような笑みを浮かべ、武器を下ろして歩み寄る。

「・・苦しかったのに。辛かったのに。・・・ずっと一緒にいたかったのに。お前ならわかってくれると思ったのに・・・」

悲しそうな声でそう言うと、頭を抱えて苦しむレックのうなじを鷲掴み、身体の前面を地面に叩きつけた。
レックは痛みに呻きながらも恐怖と自己嫌悪を必死に押し殺し、懸命に思案を巡らせた。

・・・おかしい。いくら腐敗しているからと言って、悲しみがこんな・・ここまで集中的にオレ個人を責める性質を持っているなんて。それに、ソロはこんなことは言わない。絶対に。これは・・・・・

「俺はこんなにも・・・自分を殺してまでみんなを守ろうと必死だったのに。なぁそうだろ?・・レックぅ。おい聞いてるのか?レーーーーーーーーックぅううーーーーーーーーー?」

「うあぁっ・・・!」

「ふっ・・・ふふふふふふふ。はははははははははっ!見捨てたなああぁぁああぁ!!助けなかった、助けなかった!!お前のせいで俺はぁあああぁぁぁ!!!」

うつ伏せに倒れたレックの頭を強く踏みつけ、吠える。そして再び狂気に満ちた高笑いを始める。

・・・レックはなんとか右手で床に落ちた剣を探り当てると、それを握って渾身の力で振り上げた。

「ッ!!」

脚を大きく抉り斬られ、ソロがよろけた。その瞬間を見逃さず素早く身を翻し立ち上がると、最大出力のギガデインを唱える。

「違う・・・・お前は違う。ソロは人を貶めるようなことは言わない、お前はソロじゃない!オレがオレ自身を責めるために作り出した幻だ!!」

・・確かな確信と自信を持って、レックは言い放った。すると、吹き飛ばされ立ち上がったソロの目が・・・・もとに戻っていた。レックが彼の正体に気付いたためか。

「・・あぁそうかよ。だったらどうする?・・・ふふ、殺せよ。殺せよ。殺せよ!殺せよ!!殺せ!!殺せ!!ころせええええええええええええっ!!」

「うぐっ!・・・・っ・・・・」

血飛沫が飛び散る。一発一発のダメージがデカい・・・・

「・・潰せばいいじゃないか。全部壊してなかったことにすればいい。そうして何もかもお前ひとりの都合で片付けてしまえ。見捨てて力でねじ伏せてしまえ・・・」

ボロボロの身体から血を滴らせながら、武器を掲げて近付いてくる。

「徹底的にぶちのめして痛めつけたら、また俺の身体で遊べばいい。きっと気分が晴れるぞ。バラバラに解体して食べてみても面白いかも知れないな。そうすれば俺をお前の中に閉じ込めておくことができる。ふふ、ふふふふっ」

「うるさい・・・うるさい・・・!黙れ・・・!」

「っは、はははは。やりたいんだろ?やれよぉぉおぉ。切って引き裂いて刻んで掻き混ぜてみろよ。前にしたように。殺して、壊して、犯せばいい!!」

「ああああぁぁああぁぁ!!やめろぉっ、やめろぉぉおお!!」

がしゅっ。

・・・・レックが死に物狂いで突き出した剣の先端は、ソロの喉と胸の間の部分に突き刺さり大きく貫通していた。

「・・・・・・・ぐ・・・がッ・・・。・・く、ふふ。ふはははははっ・・・・・」

レックは突き刺した剣の柄を両手で掴み、めいっぱいの力を込めて引き抜いた。・・・ソロの喉元から血が噴き出し、レックの顔にかかる。

ゆっくりと剣を下ろすレックの肩が、胸が、鮮血で赤く染まっていく。

ソロは一歩、二歩・・・と後ろによろけ、脱力した上半身が傾き――・・・どさりと音を立てて倒れた。
床に染み出た血が徐々に広がり、レックの足の間を通り過ぎた。
――――――――――――――――――
――――――――――――





・・・・・・・ソロ。ごめん、オレ・・・・もう、お前が知ってるオレじゃないみたいだ。これではっきりわかった。
お前の感情が腐敗していったように、オレの心もまた腐敗して、爛れて濁ってしまったみたいだ。もうこれまでのオレには・・・勇者のオレには戻れないかも知れない・・・・・。




――――――――――――
――――――――――――――――――

「うぁ・・・ッ・・・!!」

意識が現実の身体に戻り、レックはベッドから跳ね起きた。
片手で胸を押さえると、異常なほど鼓動が早くなった心臓に痛みが生じる。・・・息が苦しい。苦しい・・・息ができない。呼吸がどんどん早くなっていく。

脳内で腐敗した悲しみの中での光景が目まぐるしいスピードでフラッシュバックを繰り返し、頭が破裂しそうになる。呼吸をする気力さえも吸い取られるような壮絶な悲しみと絶望が全身にのしかかる。

「はっ・・・・うぁあっ、はっ、はぁっ・・・!」

身体を動かすと視界が回り、バランスを崩してベッドから転がり落ちた。立ち上がろうとして視界に入った手はひどく震えている。なんとか立ち上がっても脚から力が抜けてしまい、ふらついて身体を壁にぶつけて座り込んでしまった。