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しょうきち
しょうきち
novelistID. 58099
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比翼の鳥は囀りて

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 そしてカードを書いて封筒にしまい、侍従に手渡す。

────木の曜日の正午からお会いしたいのですがご都合いかがですか。
                         追伸 お月さまが綺麗ですね。 ルヴァ

 返事はすぐに来た。アンジェリークとともに。

────もちろん空いています!
         追伸 こちらもお月様がきれいですよ。 アンジェリーク


「失礼します。ルヴァ様へお手紙の配達ですよー」
 小首をかしげる姿がなんとも可愛らしく、ルヴァの顔が綻んだ。
「おや、随分と可愛らしい配達人さんですねえ、ありがとうございます。中でお茶でもいかがですか?」
「ふふ。そう思ってスコーンを作ってきました。味の保証はしませんが良かったら」
「それなら紅茶にしましょうか。美味しそうですね、ちょうど小腹がすいてきたところだったんですよー」
 彼女の作るスコーンはとても食べやすく、守護聖の間でも評判がいい。
 めいめいクロテッドクリームとともにジャムやはちみつをたっぷり載せて食べるのだが、いつも最後は取り合いになっている。

「あ、ルヴァ様待って」
 アンジェリークは茶器へと手を伸ばしたルヴァを呼び止めた。
「はい、どうしましたー?」
「ちょっと耳貸してください」
 アンジェリークに服を引っ張られ、屈み込んだ瞬間……

「…………だいすき」

 消え入りそうな囁きとともに、頬に落とされた口付け。
 ルヴァはどうしようもなく愛おしくなって、彼の天使をしっかりと抱き締めた。
「私も、だいすきですよ」

 それからアンジェリーク特製スコーンを頬張りつつ、二人きりのお茶会を楽しんでいたのだった。
作品名:比翼の鳥は囀りて 作家名:しょうきち