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しょうきち
しょうきち
novelistID. 58099
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あの人へのHappy Birthday

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 そして数日後。
詳細を考えるもいい方法が見つからず、ロザリアの執務室へとやって来た。

「つーワケでよ、なんかいい案ねーか」
 出された紅茶を飲みながら仏頂面のゼフェルを見て、ロザリアは美しい眉を僅かに歪ませて苦笑した。
「誕生日は七月十二日だから、その日になんかしてーんだけどよ」
「それでしたら……『宇宙にたったひとつの贈りもの』、なんていかがですの?」
 ゼフェルの口の端が持ち上がる。
「やっぱそれが一番だよなぁ。じゃあ、『贈りもの』はキレイにラッピングしねえとな?」
 つられてロザリアの瞳も悪戯っぽく弧を描いた。
「それでしたら、わたくしにいい考えがありますわ」


 翌日ロザリア主催のお茶会に呼ばれたのは、鋼と緑と夢の守護聖。
そこに女王補佐官を交えて四人の秘密会議の場となった。

「……では、衣装と装身具はオリヴィエに。マルセルはお花のご用意をお願いしますわ」
「了解、任せときな!」
「うん! とーっても綺麗なの作るからね!」

「で、呼び出し役がロザリアで、運ぶのがオレ、でいいんだな?」
 冷めてしまった紅茶を一気に流し込み、ゼフェルは立ち上がった。
「その通りですわ。当日オリヴィエの執務室にて決行します」
「オッサンが執務室にいねえ、ってことはないのか?」
 あのおっとりした喋りとは裏腹に仕事自体はとても素早い彼のことだ、とっとと終わらせて私邸へ戻る可能性もある。
だが優秀なこの補佐官は優雅に笑う。
「その点はご心配なく。明朝締め切りのお仕事を山積みにしておきますわ」
 その場にいた誰もがあんた鬼だ、と思ったが異論はない。
「詳細は追って通知を出しますわね」