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機動戦士ガンダムRSD 第17話 戦士の条件

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 アークエンジェルは、スカンジアナ王国の領海内の海底にもぐりアンテナのみを出して情報収集を行っていた。
「このデモによる死傷者の数は、既に1000人にのぼり赤道連合政府は」
「18日の大西洋連邦大統領の発言を受けて昨日南アフリカ共同体のガドア議長は」
「この声明に対しコロニー連邦共和国のベルリ・シバ首相は、昨夜未明コロニーはあくまでも」
 モニターには、地球各国のテレビ放送が映し出されていた。
「毎日毎日気の滅入るようなニュースばかりですね」
 ノイマン少尉がコーヒーを飲みながらテレビを見てそんなことをつぶやいた。
「ユーラシア西側地域では、依然激しい戦闘が続いておりユーラシア軍現地総司令官は周辺都市への被害を抑止するため新たに地上軍3個師団を投入する声明を発表しました」
 アナウンサーがユーラシア西側の状況を伝えた。
「なんかこう気分の明るくなるようなニュースは、ないんでしょうか?」
 ノイマン少尉は、明るいニュースを聞きたかった。
「水族館で白イルカが赤ちゃんを生んだとか、そういう話?」
 ラミアス艦長がとびっきりの明るいニュースを言った。
「いいえ、そこまでは言いません」
 ノイマン少尉は、苦笑しながら否定した。
「しかし何か変な感じですね」
 ダリダ曹長がそういうと皆がダリダ曹長を見た。
「コロニーとの戦闘の方は、どうなってるんでしょう。
入ってくるのは、双方の混乱のニュースばかりですから」
 ダリダ曹長が入ってくる情報を不審がった。
「大西洋連邦は、大西洋連邦でずっとこんな調子ですしね」
 ミリアリア曹長は、ラクス・クラインのライブ映像を最大化して映した。
ラクスは、ちょうど「Quiet Night」を歌っていた。
しかし彼女の美しい歌声もアークエンジェルのブリッジを支配するどよんだ空気を払しょくすることは、できなかった。
「勇敢なる地球軍兵士の皆さん、平和の為わたくし達もがんばります。
皆さんもお気を付けて」
 ラクスが会場にいた皆を鼓舞した。
ミリアリア曹長は、ラクス・クラインのライブ映像を消して元のマルチ画面に戻した。
「軍本部の方は、楽しそうですね」
 ミリアリア曹長は、苦笑いしながら言った。
その時映像にコロニー連邦共和国のニュースが飛び込んできた。
ミリアリア曹長は、今度はそれを最大化させた。
「今から流す映像は、昨日における行われたデモ隊に対する軍の鎮圧作戦を市民が撮った映像です」
 そこには、デモ隊に対して明らかに自動小銃で鎮圧を行っている兵士の映像が映し出されていた。
「映像からは、ゴム弾を使用したという軍の正式発表を真っ向から否定する内容が映し出されています。
これに対し軍は、再調査を行うと先ほど発表しました。
これにより軍への信頼度が下がりさらにデモ隊への鎮圧方法も制限されることから政府は、著しく治安が悪化することを予想し非常事態宣言を発令しました」
 核を防げたコロニー側もそれ相応の混乱が生じていた。
「核は、防がれたけどそれ相応のダメージは与えたと考えていいかしらね」
 ラミアス艦長は、核攻撃の手ごたえは感じていた。

           ※

 ドゴス・ギアの艦内をアイリス曹長が歩いていた。
(なんだか眠たいな。
眠気覚ましにトレーニングルームに行こう)
 アイリス曹長は、あくびをしながら廊下を歩いているとコール曹長と会った。
「どこ行くんだ?」
 コール曹長が軽く質問した。
「ちょっとトレーニングルームに行こうかと思って」
 アイリス曹長が眠たそうに答えた。
「眠気覚ましか?
俺も付き合うよ」
 コール曹長も同行することになった。
 そして2人は、トレーニングルームでクロストレーナーで運動を始めた。
「目が覚めるぜ」
 コール曹長は、全身に酸素が行き届いているのを感じていた。
「コール軍曹も眠かったの?」
 アイリス曹長がコール曹長に質問した。
「船内は、生きられる環境だけでありがたいけどやっぱり空調設備はもう少し充実させてほしいよ」
 コール曹長は、軍艦の空調設備の悪さを愚痴った。
「でもそれだけ国防費がますしそれを知った国民からは、強い反発が来るでしょうね」
 アイリス曹長は、空調設備の改善は国民が許さないと判断した。
「まあな」
 コール曹長は、残念そうに言った。
「ところでサオトメ大佐ってどんな感じだったんですか?」
 不意にコール曹長は、サオトメの話題を始めた。
「急に何よ?
いい上司だったけど」
 アイリス曹長は、恥ずかしいさのあまりプライベートに関することは答えなかった。
「そうか」
 コール曹長は、どこか残念そうに答えた。
「いきなりどうしたの?
何でそんなことを聞いたの?」
 アイリス曹長は、コール曹長がなぜこんな質問をしてきたのか不思議に思えてならなかった。
「俺は、シグマン少佐の付き人みたいな事をしていたんだよ。
だからサオトメ大佐とかかわることがなくて話を聞いてもぴんと来なくて」
 コール曹長は、アイリス曹長になぜサオトメのことを聞いたか説明した。
「サオトメ大佐の話ね」
 アイリス曹長は、そういうと考え込んだ。
「どういう話を聞いたの?」
 アイリス曹長は、コール軍曹がどういう話を聞いたか興味を持った。
「これは、あくまで俺が効いた噂話だからその中には事実無根もきっと含まれてると思うから訂正してくれ」
 コール曹長は、念のためアイリス曹長に断りを入れた。
「優しくて屈託のない性格、中性的でイケメンだけど引き締まった身体。
そして側にいるだけで自分の死が逃げていくような安心感」
 コール曹長は、巷で聞いた噂話をアイリス曹長に言った。
アイリス曹長は、噂話を修正する気はなかった。
(確かにサオトメ隊長が側にいるだけで安心できるけどこんな噂が立つということは、他の誰かも守ったってこと?
でも確かにサオトメ隊長の技量があれば乱戦の中で他の隊を守ることもあるし)
 アイリス曹長は、サオトメが寝取られてしまうのではないかと急に危機感を覚えた。
「でもそれ全部が私の物よ
それに私しか知らないサオトメ大佐を知ってるんだから」
 アイリス曹長は、無意識にむきになっていた。
「例えば何だ?」
 コール軍曹は、ニヤニヤしながら質問した。
「たびたび私だけに自然に出てくる口説き言葉。
だけど口説きは、うまいけど純情でこちらからの攻撃には弱い。
それにいつも見かけても何か食べてるのよ。
それなのにあの体型なの」
 アイリス曹長は、自分だけが知ってるサオトメの話を始めた。
「なるほど。
いつみても何か食べてる?
本当にそんなことってあるのか?」
 コール軍曹は、半信半疑に聞いてきた。
「いつも、いつもよ」
 アイリス曹長は、断言した。
「例えば?」
 コール軍曹は、具体例を求めた。
「オーブ解放戦中に私が持っていたお菓子を食べましたしオペレーション・スピットブレイク後には、私が作ったサンドイッチを食べたんです」
 アイリス曹長の説明にコール曹長の表情から疑惑が消えてきた。
「こんな調子でほぼ毎日どこかで何か食べてるのに私と同じくらいの体重なの」
 アイリス曹長が不思議そうに話した。

                  ※