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機動戦士ガンダムRSD 第17話 戦士の条件

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格納庫であなたを見ていたのは、憧れのまなざしで見ていたんです。
自分は、まだまだ子供で先もそれが原因でルナマリアと誤解が出来て喧嘩したんです。
自分が素直に言えば良いのになぜか言えなくて。
操縦技術だって隊長の方が上ですし。
かっこいいですし」
 シン中尉は、恥ずかしながらも自分の気持ちを言った。
「そうだったのか。
そうか」
 アスラン中将は、そういうとシン中尉の横に来た。
「君から見れば俺がやっていることは、全て成功しているように見えるかもしれない。
だからだと言いたいのか?」
 アスラン中将は、真剣に質問した。
シン中尉は、アスラン中将が何を言おうとしているか分からなかった。
「だから俺のようになりたい。
支配者のようになりたい。
そういうことか?」
 アスラン中将は、シン中尉に憧れる理由を聞いた。
シン中尉は、思っても見ない言葉に動揺していた。
「自分だけは正しくて自分が気に入らない、認められないものは皆間違いだといえる発言権がほしいのか、君は」
 アスラン中将は、シン中尉の内心を推測した。
「そんなことは、ありません」
 シン中尉は、力強く否定した。
「ならあのインド洋での戦闘のことは?」
 アスラン中将は、シン中尉に先の戦闘の戦術を聞いた。
シン中尉は、何も言わなかった。
「あれは、俺の方が間違いだと思っているか?
それともネオ大佐が間違っていると思っているか?」
 アスラン中将は、シン中尉にどちらが間違っているか質問した。
「巨大な敵に少数で立ち向かうのは、無謀ですからネオ大佐の戦術は間違っていたとは思えません。
でも同時に戦力温存という戦術もありますから隊長の言い分も分かります。
しかし自分は、あの時どちかが正しかったのかを判断する能力がないためどちらとも言えません」
 シン中尉は、あの海戦を思い出しながら素直に分からないと答えた。
「オーブのオノゴロで両親を亡くしたと言ったな、君は」
 アスラン中将は、話題を死に移した。
「殺されたって言ったんです。
サオトメに」
 シン中尉の口調からは、サオトメへの並々ならぬ憎しみが感じられた。
「そう思っていたければそれでもいいさ。
だから君たちは、考えたっていうわけか?
あの時力があったなら力を手に入れさえすればと」
 アスラン中将の言葉にシン中尉は、息が詰まった。
「なんでそんなこと言うんですか?」
 シン中尉は、動揺を隠すため強い口調で言った。
「自分の非力さに泣いたことのある者は、誰でもそう思うさ。
多分」
 アスラン中将は、コペルニクスの悲劇でレノアの死に悲しむザラ副大統領やニコル中尉のことを思い出していた。
シン中尉には、そんなアスラン中将が泣いているように見えた。
「けどその力を手にしたその時から今度は、自分が誰かを泣かせる者となる」
 アスラン中将は、静かにシン中尉に忠告した。
シン中尉は、忘れていたわけではなかったが改めて言われて自分の立場に気付いた。
「それだけは、忘れるなよ。
俺達は、やがてまたすぐに戦場にでるだろう。
その時にそれを忘れて勝手な理屈と正義でただ闇雲に力を振るえばそれは、ただの破壊者だ。
そうじゃないんだろ?
君は」
 アスラン中将の言葉にシン中尉は、思い当たる節があり苦しい表情をした。
「俺達は、軍としての任務で出るんだ。
喧嘩に行くわけじゃない」
 アスラン中将は、シン中尉に戦う意味を説いた。
「そんなことは、分かってます」
 シン中尉もそれは、わかっていた。
「ならいいさ。
それを忘れさえしなければ確かに君は、優秀なパイロットだ」
 アスラン中将は、シン中尉の才能を認めるとその場を去ろうとした。
「そうでなければただのバカだな」
 アスラン中将は、一度立ち止まってそういうとまた歩き去った。
シン中尉は、そんなアスラン中将の後ろ姿を見送っていた。