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機動戦士ガンダムRSD 第17話 戦士の条件

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 マドラス基地の司令室ではマーカー艦長、ミハイル副艦長、サイジョウ元帥とサオトメがウォン司令官と話をしていた。
「状況はだいぶ厳しそうですわね、こちらの」
 マーカー艦長は、マドラス基地が厳しい状況に置かれていることを認識した。
「はい。
流石にスエズやマハムールの戦力には、迂闊に手が出せませんから」
 ウォン司令官は、穏やかな表情で話したが切羽詰まっているのは皆が感じた。
「どうしても落としたければ前の大戦の時のように軌道上から大降下作戦を行うのが一番なんですが。
何故かその作戦は、会議を通らないらしい」
 ウォン司令官は、残念そうに言った。
「『こちらに領土的野心は、ない』と言っている以上それは、出来ないってことだな」
 マーカー艦長が軍令部の指針を推測した。
「いたずらに戦火を拡大させまいとする今の大統領と総帥の方針を私は、支持していますが。
しかしこちらが大人しいことをいいことにやりたい放題もまた困る」
 ウォン司令官は、ジレンマにはまっていた。
「と言うと?
何かあると言うこと?
スエズの他に」
 マーカー艦長は、ウォン司令官の言葉に引っかかることに気付いた。
「地球軍は、本来ならばこのスエズとマハムールを拠点に一気にアーティ・ジブラルタルと南太平洋先にあるトリントン基地を叩きたいはずです。
だが今は、それが思うように出来ない。
何故か。
理由は、ここです」
 ウォン司令官が地図上を指示棒で指しながら説明した。
「ユーラシア西側地域か」
 ミハイル副艦長が指し示された場所を言った。
「ええ。
インド洋とジブラルタルがほぼこちらの勢力圏である現在この大陸からスエズとマハムール地域の安定は、地球軍にとっては絶対です。
そうでなければ孤立しますからね、スエズは」
 そういうとウォン司令官が平面地図から立体等高線地図に切り替えた。
「なので連中はこの山間ガルナハンの火力プラントを中心にかなり強引に一大橋頭堡を築きユーラシアの抵抗運動にも睨みを利かせてかろうじてスエズとマハムールまでのラインの確保を図っています。
そのおかげでこの辺りの抵抗勢力軍は、ユーラシア中央からの攻撃に曝され南下もままならずとかなり悲惨な状況になりつつもありましてね」
 ウォン司令官がガルナハン周辺の状況を説明した。
「しかし逆を言えばそこさえ落とせばスエズとマハムールへのラインは、分断でき抵抗勢力軍の支援にもなって間接的にでも地球軍に打撃を与えることが出来る。
さらにデモ鎮圧で失われた軍への信頼も神的存在の『死神』と『皇帝』によって義を見せれば回復もできる。
まさに一石三鳥。
そういうことですね」
 サオトメの言葉にサイジョウ元帥が「口を慎め」と言わんばかりに肘で突っついた。
「おそらくそうでしょう。
だが向こうだってそれは、解っている。
となればそう簡単には、やらせてはくれない」
 ウォン司令官は、渓谷の一部をアップにし戦闘映像を流し始めた。
「こちらからアプローチできるのは唯一この渓谷だが当然向こうもそれを見越していてね。
ここに陽電子砲を設置し周りにそのリフレクターを装備した化け物のようなモビルアーマーまで配置している。
前にも突破を試みたが結果は、散々でね」
 映像には、1個艦隊が艦載機を発進さマン・マシーン隊と艦船が固定砲台に向け一斉射撃したがビームシールドを装備した空を飛ぶモビルアーマーがビームシールドで攻撃を防いだ。
そして固定砲台の一撃で1隻のサラミスを除いてほぼ全滅に陥った。
「あの時みたいだ」
 ミハイル副艦長は、コーラル海海戦で見た新型モビルアーマーを思い出した。
「だがα艦隊の戦力が加われば」
 ウォン司令官は、α艦隊にかなり期待していた。
「なるほどね。
そこを突破しない限り我々は、すんなりアーティ・ジブラルタルへも行けはしないと。
そういうことだな?」
 マーカー艦長は、ウォン司令官に状況を確認した。
それにミハイル副艦長は、初めて気づいた。
サイジョウ元帥は、黙って話を聞き続けていた。
「そういうことですね」
 ウォン司令官は、否定しなかった。
「俺たちにそんな道作りをさせようだなんて一体どこの狸が考えた作戦かね」
 マーカー艦長は、釈迦に遊ばれる孫悟空のような気分だった。
ウォン司令官は、α艦隊の状況を全て把握できていなかったためマーカー艦長が何を言っているか分からなかった。
「でも良いでしょう。
こっちもそれが仕事といば仕事なんだし」
 マーカー艦長は、それでも仕事をがあることに幸福を感じていた。
「では、作戦日時等はまた後ほどご相談しましょう。
こちらも準備がありますし。
我々もα艦隊と共に今度こそ道を開きたいですよ」
 4人は、基地施設から出るとリーンホースJr.に戻ろうとしていた。
途中サオトメは立ち止まりアイリス曹長、キラ、アスランが今どうしているか考えたが今は作戦に集中しようと考えを振り払い再びリーンホースJr.へ歩いた。

                     ※

 ミネルバのシャワー室では、ルナマリア少尉はシャワーを浴びていた。
脱衣所には、メイリン軍曹がいた。
「じゃあシンは、あれから全然ザラ隊長と口をきかないの?」
 姉妹の話題は、シン中尉だった。
「まあね。
ほんとにしょうがないわよね。
シンは、本当に子供なんだもん」
 ルナマリア少尉は、シン中尉の愚痴を言っていた。
「だよね。
悪いけど私から見てもそう思うもん」
 メイリン軍曹は、ルナマリア少尉のスカートを持ち上げながらそういった。
「そのうち何とかなるとは、思うけど。
どうせシンの負けで」
 ルナマリア少尉は、シン中尉に最初から勝ち目がないと感じていた。
「だよね。
ザラ隊長の方がよほど大人でかっこいいもん」
 メイリン軍曹は、ルナマリア少尉のスカートを穿こうとしたがウエストが入らず諦めスカートを籠に投げ入れた。
「あれ?
でも私と1つしか違わないんじゃなかったっけ?
あの人って」
 ルナマリア少尉は、アスラン中将が自分とほとんど年齢が変わらないことに気付いた。
 ミネルバのデッキにシン中尉が1人黄昏ていた。
そこにアスラン中将が来た。
アスラン中将は、シン中尉に気付くと微笑んだ。
「どうしたんだ?
1人でこんなところで」
 アスラン中将は、シン中尉にここにいる理由を聞くと背後に立った。
「別に。
無性に1人で潮風にあたりたいときがあるんです。
隊長こそいいんですか?
いろいろ忙しいんでしょ?
特にフェイスは。
こんなところでサボっていてよろしいんですか?」
 シン中尉は、内心緊張しっぱなしだったが何とか落ち着かせてアスラン中将と話せた。
「今のところは、大丈夫だ。
それに部下とコミュニケーションを取るのも立派な仕事だ。
格納庫でずっと俺のことを見ていただろ。
あれは、なんでだ?
そんなに気に入らないか?
俺が戻ったこともネオ大佐を殴ったことも」
 アスラン中将も本音を言えばそんなやつがいれば気に食わないがここまで露骨には、気に食わない言動を取らないという自信があった。
「別にどうということは、ありません。
でも殴られて嬉しい奴なんかミネルバにもガーティー・ルーにもいませんよ。