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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL26

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「私は叢雲……いや、ガイアの剣を使いこなせる者ならば新たな竜殺しの力を得られると思い、西の大陸を守護する事にした。そして偶然にも出会えたのが、君だ」
 ミコトはロビンに目を向ける。
「闘霊には基本的に、一つの能力しかないのだが、天眼や予知もある程度使うことができる。私の眼には僅かに君に素質がある事が見えたのだ。そして私を受容できるかどうか確かめるために、君の破壊衝動に乗り移った」
「それじゃあ、あたし達が戦ったロビンはミコト、あなただったのね……」
「大まかに言えば、そういうことになるだろう」
 しかし、ロビンの表に現れ、戦いに身を置いたミコトは、完全にロビンを支配してしまう前に、ロビンの本心によって幾度も内へと戻されていた。
「ひょっとして、オレが死にかける度に出現していたのって……」
 ロビンの肉体を完全に自らのものとするわけではなく、ロビンを守ろうとしていたのではないかと、ロビンは思った。
「そうだ、せっかく見つけた竜殺しの素質を持つ者を死なせないように、私が代わりに戦っていたのだ。だが、結果としてはそれは叶わなかったがな……」
 ミコトは他の誰かを新たに、竜殺しの闘霊になる運命をたどらせるようなことはしたくなかった。
「ミコト、今までありがとう、オレを守ろうとしてくれて……。けれど、後はオレが引き継ぐ。ミコト、オレを竜殺しの闘霊にしてくれ!」
 ロビンはミコトが、命を守ろうとしてくれていた礼を言った。
「もう問いかけることはしない、君からは完全な決意を感じるからな。いいだろう、では君に竜殺しの力を与える。闘霊最強の力をもって、世界に仇なす敵を倒してくれ!」
 ロビンは力強く頷いた。
 ミコトはロビンの強い意思を感じ取ると、ロビンに闘霊の力を与えた。
 ミコトの右手より放たれる光の中で、ロビンの姿は変わっていった。
 真紅の、見るもの全てに恐怖を与えていた瞳は澄んだ紅色となり、その眼には僅かな天眼も宿った。
 エナジーも溢れ出るばかりに強化され、心身ともに段違いの力を得て、まさに最強の力を得たといっても過言ではなかった。
――願わくは、新たな闘霊の誕生に祝福と安寧が訪れんことを――
 ミコトの声が遠くより響いた。ミコトは役目を全うして消えていった。
「ミコト、オレは必ず世界を救って見せる!」
 現世へと戻っていく世界の中で、ロビンは固く決心するのだった。