機動戦士ガンダムRSD 第19話 見えない真実
「特に用事は、ありませんが」
サウス大尉は、肯定した。
「それは、都合がいい。
ちょっとリクリエーションルームで暖を取るのは、どうだ?」
シグマン少佐は、サウス大尉にリクリエーションルームで温まろうと誘った。
「良いですね。
ちょっとデザートを食べ過ぎて体が冷えてたところだったんです」
サウス大尉も異論がなかった。
「そうか。
それじゃあ決まりだ。
俺は、パンを買ってから行くから先に行って場所を確保しておいてくれ」
シグマン少佐は、サウス大尉に命令した。
「了解」
サウス大尉は、そういうと敬礼した。
シグマン少佐は、パンを買いに行った。
(リクリエーションルームか)
リクリエーションルームには、たくさんの娯楽施設もあったがあまり利用していなかった。
サウス大尉は、リクリエーションルームの日光浴部屋に入った。
ここは、草原に寝転がり日光浴が出来る場所だった。
(さすがにそこら辺のLEDとは、違うな。
ちょうどいいところが空いてる)
サウス大尉は、日光浴部屋の光源の質の高さに驚きちょうどいいスペースを見つけた。
そこにサウス大尉は、座った。
(こうして草原の中で日向ぼっこしというのも悪くないな)
サウス大尉は、思いのほか日向ぼっこが気持ちよかった。
その時女性の話し声が聞こえたが眠くなってきたのかそれが誰なのかなど考える余裕がなかった。
※
デュランダル大統領は、アスラン中将を宿舎前に呼び出した。
「実は、アークエンジェルのことなのだがね」
デュランダル大統領は、アスラン中将に本題を言った。
それにアスラン中将もはっとなった。
「君も聞いては、いるだろう?」
デュランダル大統領がアスラン中将に確認した。
「はい」
現在アークエンジェルは、オーブ連合首長国を出航した後行方不明になっていた。
「あの艦がオーブを出たその後何処へ行ったのか。
もしかしたら君なら知っているのでは、ないかと思ってね」
デュランダル大統領は、一番の戦友であるアスラン中将なら行き先を知っているかもしれないと思った。
「いえ、ずっと気にはかかっているのですが。
私の方でも何も。
私の方こそそれを大統領にお聞きしてみたいと思っていたところです」
しかしアスラン中将でさえアークエンジェルの現在位置は、知らなかった。
「そうか。
いやアークエンジェルがオーブを出たというのなら彼もフリーダムのパイロットのキラ・ヤマトももしや一緒では、ないかと思ってね」
デュランダル大統領は、アークエンジェルと共にフリーダムガンダムも一緒にオーブ連合首長国を出たのか知れないと思っていた。
「はい。
それは、間違いないと思います。
アークエンジェルが出るのにキラを置いていくはずは、ありません」
アスラン中将は、地球軍のエースの筆頭であるキラ大佐を置いていくはずないと確信していた。
「こんな情勢の時だ。
本当に彼が戦場に戻ってくれればと私もずっと探しているのだがね。
サオトメに対して有効策を講じられない我々に彼は、もう呆れてしまったのだろうか」
デュランダル大統領は、キラ大佐が自分たちを見捨てたのではないかと考えてしまった。
「そんなはずありません」
アスラン中将は、戦友をバカにされた気分になりつい怒鳴ってしまった。
「すみませんでした」
瞬間アスラン中将は、我に返りデュランダル大統領に謝った。
「いや、こちらもすまなかった。
だが今後もしもあの艦から君に連絡が入るようなことがあったらその時は、私にも知らせてくれないか」
デュランダル大統領がアスラン中将にお願いした。
「はい、分かりました。
あの大統領の方もお願い致します」
アスラン中将もデュランダル大統領にお願いした。
しかしデュランダル大統領は、アスラン中将の言いたいことが分からなかった。
「行方が分かりましたらその時は、私にも連絡をください」
アスラン中将は、お願いの内容を言った。
「ああ、分かった。
そうしよう」
デュランダル大統領は、快く引き受けた。
そういうとデュランダル大統領は、その場を去った。
アスラン中将もホテルのエントランスに向かった。
シン中尉は、自室の窓から夜景を見ていた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第19話 見えない真実 作家名:久世秀一