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機動戦士ガンダムRSD 第19話 見えない真実

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皆がアスラン中将に注目した。
「私は、その時答えることができませんでした。
そして今もまだその答えを見つけられないまままた戦場にいます」
 アスラン中将は、シン中尉の意見に反する言葉だがこれまた正論だった。
アスラン中将の表情は、苦悩に満ちていた。
「問題は、そこだ」
 そういうとデュランダル大統領は、席を立ち手すり近くまで歩いた。
「何故我々は、こうまで戦い続けるのか。
何故戦争は、こうまでなくならないのか。
戦争は、嫌だといつの時代も人は叫び続けているのにね。
君は、何故だと思う?
シン」
 デュランダル大統領は、シン中尉に質問した。
シン中尉は、しばらく考え込んだ。
「それは、やっぱりいつの時代もコロニー連邦共和国のような身勝手で馬鹿な連中が聖戦とうたって戦いを仕掛けてくる。
違いますか?」
 シン中尉は、自分が思った理由を述べた。
「いや、まあそうだね。
それもある。
誰かの持ち物が欲しい。
自分たちと違う。
憎い。
怖い。
間違っている。
そんな理由で戦い続けているのも確かだ、人は。
だがもっとどうしようもない、救いようのない一面もあるのだよ、戦争には」
 デュランダル大統領の話にシン中尉とレイ少尉が驚いた。
「たとえば新型機であるGAT-X2000グフイグナイテッド。
つい先頃軍事工廠からロールアウトしたばかりの機体だが今は、戦争中だからね。
こうして新しい機体が次々と作られる。
戦場では、ミサイルが撃たれモビルスーツが撃たれる。
様々なものが破壊されていく」
 デュランダル大統領の話を皆が真剣に聞いていた。
「故に工場では、次々と新しい機体を作りミサイルを作り戦場へ送る。
両軍ともね。
生産ラインは、要求に負われ追いつかないほどだ」
 デュランダル大統領は、武器の供給について話した。
「大統領」
 アスラン中将は、それは当たり前でだからこそ生産工場をつぶすのが戦争を終わらせる王道だと感じていた。
「その1機の価格を考えてみてくれたまえ。
これをただ産業としてとらえるのならこれほど回転がよくまた利益の上がるものは、他にないだろう」
 デュランダル大統領がそれを産業として考えるように言った。
それにシン中尉とレイ少尉が驚いた。
「大統領、そんな話してよろしいのですか?」
 タリア艦長は、デュランダル大統領が黒い野望を抱いているのではないかと不安になった。
「でもそれは、当たり前です」
 シン中尉は、それを当たり前だと主張した。
「そう、戦争である以上それは当たり前。
仕方のないことだ」
 デュランダル大統領もシン中尉の言いたいことは、わかっていた。
シン中尉は、戦争被害者としてやりきれなかった。
「しかし人というものは、それで儲かると解ると逆も考えるものさ。
これも仕方のないことでね」
 デュランダル大統領は、人の愚かさを言った。
アスラン中将は、そこでデュランダル大統領が何を言いたいかわかった。
「逆ですか?」
 一方シン中尉は、分からなかった。
デュランダル大統領は、うなずいた。
「戦争が終われば兵器は、要らない。
それでは、儲からない。
だが戦争になれば自分たちは、儲かるのだ」
 シン中尉は、真剣にデュランダル大統領の話を聞いていた。
「ならば戦争は、そんな彼等にとっては是非ともやって欲しいこととなるのではないのかね?」
 デュランダル大統領は、戦争を歴史の惨劇ではなくビジネスチャンスだと言った。
「そんな」
 シン中尉にとって一部の人のもうけのために戦争で両親を殺されたらたまったものでは、ない。
「あれは敵だ、危険だ、戦おう、撃たれた、許せない、戦おう。
人類の歴史には、ずっとそう人々に叫び常に産業として戦争を考え作ってきた者達がいるのだよ。
自分たちの利益のためにね。
今度のこの戦争の裏にも間違いなく彼等ロゴスがいるだろう」
 デュランダル大統領は、既にこの戦争を陰で操る者の正体に気付いていた。
タリア艦長は、その目の前にある戦いよりもそれを操るものを見つけ出したデュランダル大統領の眼力に感服していた。
「彼等こそがあのブルーコスモスの母体でもあるのだからね」
 デュランダル大統領は、ロゴスというのがなにものであるか説明した。
「そんな」
 シン中尉は、ショックを受けていた。
「ロゴス」
 アスラン中将は、新たな敵をつぶやいた。
「だから難しいのは、そこなのだ。
彼等に踊らされている限り地球とコロニーは、これからも戦い続けていくだろう」
 デュランダル大統領は、ロゴス打倒以外この戦争を終わらせる術はないと感じていた。
アスラン中将は、頭の中でロゴスをどうすれば打倒できるか1人自問自答していた。
「できることならそれを何とかしたいのだがね。
私も」
 シン中尉は、1人両親が死んだときの状況を思い出していた。
「だがそれこそ何より本当に難しいのだよ」
 デュランダル大統領は、今のところロゴスを打倒できる策がないと言った。

               ※

 ドゴス・ギアの艦内では、ジャック中尉がリクリエーションルームに来ていた。
(トイレに行ったついでに新しい本を探しに来たがやはり入ってないか)
 ジャック中尉は、少しがっかりしていた。

               ※

 アーティ・ジブラルタル基地の高級ホテルではベランダ状の廊下をアダム大元帥、サイジョウ元帥、サオトメ、マーカー艦長とミハイル副艦長が歩いていた。
「ほんとによろしいんですか?」
 サオトメがマーカー艦長に質問した。
「ええ、休暇なんだし。
総統のせっかくの御厚意なんだ。
お言葉に甘えて今日は、ここでゆっくりさせてもらいな。
確かにそれくらいの働きはしてるるぞ、特にお前は」
 マーカー艦長がサオトメの休暇を許可した。
「そうさせていただけ。
サオトメも艦長も。
艦には、俺が残るから」
 サイジョウ元帥がサオトメとマーカー艦長に休むように言った。
「艦には、私が戻ります。
サイジョウ元帥もどうぞこちらでお休みください」
 するとミハイル副艦長が艦に残ると言った。
「いやそれは、まずいだろ」
 サイジョウ元帥も気持ちは、うれしかったが元帥が休み部下に働かせるのに罪悪感を感じた。
「褒賞を受け取るべきリーンホースJr.のエースは、サイジョウ元帥とサオトメ大佐です。
そして艦長も連戦で疲れているでしょう。
私の言っていることは、順当です」
 ミハイル副艦長は、普段あまり役に立っていないためこの時くらいは役に立ちたかった。
皆は、その言葉に甘えることにした。

                ※

 サウス大尉は、食堂でB定食を食べた。
(今日のB定食は、なかなかだったな。
ちょっとボリューム不足だが)
 今日のB定食は、質は良かったが量が足りなかった。
しかし軍の飯に両方を求めること自体期待しすぎなのかしれない。
その時シグマン少佐が手招きをしているのに気付いた。
サウス中尉は、シグマン少佐の許へ行った。
「よう、サウス」
 シグマン少佐が軽くあいさつした。
「どうしたです、少佐」
 サウス中尉は、シグマン少佐に用を聞いた。
「今暇か?」
 シグマン少佐は、サウス大尉に時間があるか聞いた。