桃太郎対プリキュア
「ときめきなさい!エースショット!バキューン!」
最後の勝負である。
しかし桃太郎は宙を舞い、エースの背後に周り手刀でエースを一撃した。
モグラタタキのように、ハート、ダイヤモンド、ロゼッタ、ソードも倒してしまった。
4人は四つ葉病院に運ばれた。
ハピネスチャージ編
大森ごはん。キュアハニーこと、大森ゆうこの実家にして、ぴかりが丘でも屈指の弁当屋、兼食堂である。
そこではめぐみ、ひめ、いおなが食卓につき、楽しそうに会話している。彼女らこそ、ハピネスチャージプリキュアの4人である。技のバリエーションが豊富な彼女らは、数多いプリキュアの中でもかなり強い方であろう。
ふだんは、地球の神ブルーの居城にして、ひめの家を拠点にしている。
果たして桃太郎は倒せるのか?期待が膨らむ。
桃太郎はマナ達を倒したあと、ぴかりが丘をに到達した。
「我にうち勝つ修羅にまみえん…」
やはりぴかりが丘の街でも桃太郎は暴れた。かれこれ桃太郎に潰された市町村は100を超える。プリキュアのいない町もたくさんある。
警察が全力で逮捕にかかっても打ち負かしてしまう。自衛隊による軍事攻撃ですら、桃太郎をとらえられないのだ。
と、話しているうちに登場である。
「やめなさい!」
めぐみが一括する。
「みんないくよ!」
「プリキュア!くるりんミラーチェンジ!」
4人が変身した。
「世界に広がるビッグな愛!キュアラブリー!」
「天空に舞う蒼き風!キュアプリンセス!」
「大地に実る命の光!キュアハニー!」
「夜空にきらめく希望の星!キュアフォーチュン!」
4人の声がそろう。
「ハピネス注入!幸せチャージ!ハピネスチャージプリキュア!」
戦いの始まりである。
真っ先に動いたのはフォーチュンだ。フォーチュンは氷川流空手の上級者である。空手ベースの桃太郎と互角…とはいかなかたった。あっさり吹き飛ばされてしまう。
キュアハニーは歌い出し、プリンセスは頭突き勝負に敗れ、ラブリーは決死の肉弾戦を挑む。フォーチュンもまだまだいける。
桃太郎はまだまだ遊び感覚で、息もきれていない。
「プリキュアピンキーラブシュート!」
「プリンセス爆弾ボンバー!」
ふたりがかりでの連続技!よけた先にはフォーチュンが待ち構えている。
ちなみに、キュアハニーのごはんの歌はまるっきり効いていない。
不安定な姿勢だが、それでも桃太郎に一矢報いることができない。
フォーチュンはカウンターにより、戦闘不能になった。
ラブリーとプリンセスがさらに飛びかかる。
「遊びは終わりぞ!」
桃太郎の一撃は重く、ラブリーとプリンセスが撃沈。
残ったハニーは桃太郎と対峙する。
しかし、ハニーは他の3人ほどパワーはない。しかもごはんの歌が効かないのは痛手だ。こうしてタイマンになってしまうと、ミラーチェンジによる攻撃も難しい。
ハニーは3人を抱えて、病院に向かった。四つ葉病院である。
プリンセス編
「ごきげんよう。」
ノーブル学園流の挨拶である。ここに通うはるかは今日も元気いっぱいだ。
庭の花を慈しんでいると、バイオリンの音が心地よく響いてくる。
「ごきげんよう。はるか」
バイオリンの正体はトワだった。
みなみは生徒会の仕事に忙しく、見かけることは少ないが、はるか達には心強い味方である。
「おーい、はるはる~、トワっち~」
きららが撮影から帰ってきた。
「あ、きららちゃん!」
きららは、たくさんドーナツを用意していた。今回はいつものドーナツ屋ではなく、クローバータウンストリートまで行ったらしい。
きららの持っているドーナツは背後からにじりよってきた影に取られてしまった。
「ほう。変わった形のきびだんごよ」
影はドーナツを遠慮なくむさぼる。
「ちょっと、何するのよ!」
きららが怒る。
「我が名は桃太郎。拳を極めし者なり!」
「誰も名前を聞いては…」
トワが控えめに言う。
「強くなれ、プリキュアとやら。」
「えっ…?」
3人は驚く。しかし、変身しなければ倒せない相手であることはすぐにわかった。
この騒ぎを聞きつけ、みなみが、駆けつけた。みなみにもわかったのであろう。
4人は一斉に変身した。
「プリキュア、プリンセスエンゲージ!」
「咲き誇る花のプリンセス!キュアフローラ!」
「澄みわたる海のプリンセス!キュアマーメイド」
「きらめく星のプリンセス!キュアトゥインクル!」
「真紅の炎のプリンセス!キュアスカーレット!」
4人の声が重なる…
「強く、やさしく、美しく!ゴー!プリンセスプリキュア!」
桃太郎が巨大な光球を作り出した。
「止められるか?」
ついに桃太郎が光球を放った。
「舞え、桜よ。プリキュア、サクラトルビュランス!」
「高鳴れ、サンゴよ!プリキュア、コーラルメイルシュトロム!」
「シャランラ銀河よ!プリキュア、ギャラクシーコーラス!」
「燃えよ、炎よ!プリキュア、スカーレットプロミネンス!」
4対1のぶつかり合いである。しかし、これまで通り、桃太郎は圧勝する。舞台はついに、オールスター編に入る。
オールスター編
四つ葉病院。この一週間でじつに42人の少女が、集まることになった。桃太郎被害者の会とも言えるプリキュア達である。四つ葉病院内では、思わぬ形の再開に、プリキュア達は複雑な思いだ。みんな、桃太郎に倒された。彼女らのお見舞いには、これまた、思わぬ人物が現れた。
「あゆみちゃん!」
かつて、プリキュア達が戦ったフュージョンを飼い慣らしてしまった幻のプリキュア、キュアエコーこと、坂上あゆみである。腕輪のフリをしているフュージョンとともにやってきた。
「最近噂になっていたけど、本当なのね。桃太郎さんを放っといてはダメだよね。」
腕輪が変形して、生物のような姿になった。
「ふーちゃん、モモタロウ、タオセナイ。」
この発言は全てのプリキュアを戦慄させた。ふーちゃんこと、フュージョンは、全てのプリキュアが束になっても大苦戦したかつての敵である。
「ふーちゃんがダメなら、ピーちゃんに力を借りても…」
響が力なくつぶやく。
ピーちゃんとはかつて響達が何度も殺されかけた、ノイズの生まれ変わりである。改心していまは、響達の心強い仲間だ。
「まだです!私たちはまだ生きています!ピーちゃんやふーちゃんも一緒にみんなで力を合わせればきっと…。」
つぼみが力強く語る。
「そうだよ!あきらめない!」
ラブの発言は、負傷したプリキュア達を勇気づけた。
プリキュア達は作戦会議を開始した。
「病院だと話づらいよね。どこかいいとこないかな?」
咲が悩む。
「音吉さんとこがいいよ!」
響の提案はただちに採用された。
調べの館にプリキュア総勢43人が勢揃いした。
「作戦会議って意気込んだけど…」
なぎさが口を開いた。
「たった一人を相手に作戦ってどうすればいいの?」
のぞみが言った。
ひとつ彼女らは気づいてない。まだ、誰1人、自分らの切り札を使っていない。
「たのもー!」
プリキュア達はいっせいに調べの館の入り口を見た。
そこには桃太郎がいた。
全員がいっせいに変身した。
ピーちゃんは巨大な鳥の姿に、ふーちゃんもメタリックな人の姿に変身した。
ピーちゃんが桃太郎に立ち向かった!凄まじい攻防である。
作品名:桃太郎対プリキュア 作家名:peacementhol