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同調率99%の少女(7) - 鎮守府Aの物語

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 お互いが数分間それぞれの想いを巡らせていたとき、視聴覚室に三千花が入ってきた。

「あれ?二人ともまだ作業やってるの?もう持っていくものあと少しでしょ? ……ん?なんかあった?」
 三千花が入ってきた時、提督と那美恵の距離は極端に近くはなかったのだが、それぞれ勝手な思いを抱いていたため、急に現実に戻されて慌ててしまっていた。その様子を一瞬見た三千花は、視線を二人の間を行き来させ、きっと何かあったんだなと勝手に察することにし、あえて触れないでおいた。

「あぁ。スマンスマン。これを包んだら終わりだよ。……あれ?中村さん。途中で五月雨見なかった?」
「え?五月雨ちゃん?いえ。見ませんでしたけど。どうしたんですか?」

 危惧していたことが現実のものになってしまった!と那美恵と提督は顔を青ざめさせて慌てた。二人から事の次第を聞いた三千花は二人と同じように慌てる。
 その後急いで視聴覚室を出て那美恵を先頭にして校内を探したところ、棟と棟の間の空中通路の端で半べそをかいていた五月雨を発見。4人で生徒会室に無事戻れることになった。

 道中、那美恵は五月雨に優しく諭す。
「ねぇ五月雨ちゃん。慌てないでいいからね?違う学校なんだからさ、あたしたちの作業が終わるまで少し待つか、あたしを引っ張ってくれてもよかったんだよ?」
「ふぇぇん。ゴメンなさい〜!」
 知り合いに会えた安堵感からか、那美恵にガシっと抱きついてしばらく離れようとしない五月雨。その小動物のような様に、直接抱きつかれている那美恵はもちろんのこと、隣を歩いている三千花も心の中では五月雨に対して萌え転がっていた。


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 生徒会室に最後の荷物を置き終わり、初日の展示の片付けが全て終わった。三千花は書記の二人をもう作業はないとして、すでに帰らせていたため、生徒会室にいるのは一緒に帰る4人のメンバーだけになっていた。
 生徒会室の鍵を閉めて、すべてOKのサインを出す那美恵。それを確認して4人は下駄箱まで行った。提督と五月雨は来客用の下駄箱に行き、靴に履き替えて外に出た。那美恵たちもほぼ同じタイミングで履き終えて外に出て、4人は校門へ向かって歩みを進める。


 校門をまたぐ4人。それと同時に、那美恵が再び提督らに声をかけてねぎらう。
「提督、五月雨ちゃん。今日はいろいろありがとーね。○○高校代表の生徒会長として、正式にお礼申し上げます。」
「いや。こちらこそ。」
「えへへ。改まって言われると恥ずかしいですね〜。」
 二人の返事を聞いた後、那美恵は一呼吸置いて、改めて口を開いた。
「それからこれは、生徒会長としてじゃなくて、○○高校艦娘部部員として。提督、五月雨ちゃん。これからあたしは生徒会の皆さんの力を借りつつ部員を集めて、それから先生に職業艦娘になってもらって、近いうちに鎮守府Aに皆揃ってお世話になります。その時改めてよろしくお願いします!」

 那美恵は気持ちを切り替えて挨拶をした。隣にいた三千花は、親友の発した"艦娘部部員として"の一言に、これまで生徒会メンバーとしてやってきた自分らにとっては違和感がある、複雑な思いを抱いていた。