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同調率99%の少女(7) - 鎮守府Aの物語

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「ねぇみっちゃん。みっちゃんもどーお?川内つけてみない?」
「へっ!?私が!!?」
 突然の親友からの提案に完全に声が裏返る三千花。
「ねぇ提督、明石さん。いいかな?ちょっと試すだけ。ちょっと入れるだけだから!」

「……女の子がそういう言い方するもんじゃありません。……まぁせっかくだからいいじゃないかな。明石さん、中村さんにもやってあげて。本人がよければだけど。」
 提督の前半の言い方に女性陣は?な顔を一瞬浮かべその意味をまったくわかっていない様子を示したが、気にしないことにしすぐに普通の表情に戻る。
 そして三千花はわずかにまごついた態度を取りながらも承諾した。
「うーーん。まぁ、少し試すだけなら。私も少し興味ありますし。」
 側で目をキラキラさせて期待の眼差しで見ている親友の視線に耐えられそうになかったのだ。
 そして明石の手伝いで三千花は川内の艤装をつけ始めた。しかし三千花は同調の仕方が全然わからない。おそらくわからないだろうと思っていた那美恵は三千花に近づき、顔を近づけて耳打ちしてコツを教えた。

「そういえば中村さんは同調するの初めてでしたね。ではこちらで遠隔でスイッチ入れるので、あとは……あ、那美恵ちゃんが教えてあげたんですね?ではそのとおりにしてください。」
 明石はチェック用の端末でササッとタッチしていじり、川内の艤装の電源を入れた。あとは装着者が精神を落ち着けて同調をするだけとなる。装着者の三千花は深呼吸をし、無心になって落ち着く。その後、三千花は那美恵から教えてもらった方法でなんと同調できてしまった。


「あ、なんか。感覚が変わりました。え……?な、なにこれ?あ、あ、あぁっ……!」
「ヤバ。肝心なこと教えるの忘れてた。」
 那美恵は万が一同調出来てしまった場合、初めての同調時に催す恥ずかしい感覚のことを伝えるのを忘れていた。三千花の様子を見るに、同調出来てしまったがゆえにその恥ずかしい感覚に襲われてしまっている様子が伺えた。
 時すでに遅しということで苦笑いを浮かべる那美恵。
 三千花はビクビクッとした直後すぐにへたり込み、顔真っ赤にして立ち上がろうとしなくなってしまった。
 その様子に提督以外のその場の人間は那美恵と同様にハッと気づいて三千花に駆け寄った。提督は装着して初同調した人しかわからぬ感覚のことをフィルターがかかった又聞きでしか知らない。なぜ三千花がへたり込んだのかわからず、思わず尋ねてしまった。

「ん?どうした中村さん?具合でも悪i
「わあああぁぁ!!!提督はちょっと黙ってて下さいーー!!」
「提督はあっち向いてて!!」
 それを五月雨と那美恵が大声で遮る。五月雨は駆けて行って提督の体を方向転換させようと押し出した。

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「うっうっ……ううぅ。」
「ゴメン……みっちゃん。その、それのこと言うの忘れてた。テヘ!」
 ポリポリと眉間を掻いたのちに後頭部に手を当てて軽い謝り方をする那美恵をキッと睨みつける三千花。頬は赤らみ、その目には怒りと恥ずかしさがないまぜになったような色を見せている。異性が見たら思わず興奮して様々なモノが沸き立つような表情になっていたため、これはまずいと感じた那美恵や明石が好奇の眼差しから三千花を守るために提督を必死にガードする直線上に立ちふさがる。
 一方の五月雨は盾になっている那美恵と明石の背後で三千花の側に座って語りかけた。
「初めての時は……あの、みんなそうなりますから。私なんか初めての同調でその……思わずゴニョゴニョして思いっきり泣いちゃいましたから。大丈夫ですというのもなんですけどとにかく大丈夫です!」
 自身の体験を思い出したためやや頬を赤らめる五月雨は優しく言葉を三千花にかけた。年下の女の子に慰められる形になった三千花は涙目になって思わず五月雨に抱きついてしまった。
「五月雨ちゃん、ありがと……。」

「あの……俺もうそっち向いていいんですかね?」
 那美恵たちとは逆向きの提督が背中から問いかけた。
「提督はあとでお仕置きね。」
「そうですねー。少々無神経ですね〜」
「なんでだよ!?」
 那美恵と明石が提督に無実の罪を着せてツッコミを入れた。