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電撃FCI The episode of SEGA

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 黒子が言うと、それは違うとソニックは首を横に振った。
「正義? そんなものに興味はないね」
 ソニックはとてもきっぱりと言った。
「……では、エッグマンという方と戦ったのはどこかから雇われたからですの?」
 ソニックはまたしても否定する。
「オレがどっかの誰かに雇われるだって? No way! そんなのはオレの方から願い下げだ」
「でしたら、どうしてそうまでするんですの? 地位や名誉、お金のためでもないのでしたら、純粋な正義の行動としか……」
 ソニックはため息をつく。
「クロコ、困ってるやつを助けるのに何か必要なものがあるのか?」
 黒子は逆に問いかけられ、答えに窮してしまう。
「オレはただ、エッグマンが悪さして困っているやつらを見過ごせなくて助けただけさ。誰に頼まれるわけでもなく、オレの気分でな」
 ソニックは元来、気まぐれな質であった。
 気分の赴くままに行動し、時として大きな冒険をする。ソニックの原動力は気分が全てであった。
「オレは気まぐれに走っていたら、偶然エッグマンの企みを見付けた。そしてやつが動物達を困らせていたからやっつけてやった。それだけだよ」
 ソニックの行動、正義は全て無償のものだった。報酬を得るため、皆に認めてもらうためといった目的は一切持つことなく、ソニックはエッグマンを追いかける冒険に出たのだった。
 時としてエッグマンを追う冒険は大きな危険を伴うこともあった。しかし、そんな危険を省みずに進んだのは、やはり、困っているものを助けたい、この一念によるものだった。
「目の前で苦しむやつがいれば、そこへ行ってそいつを助けるのは当たり前の事だろ。そうは思わないか、クロコ?」
 ソニックは少し笑ってウインクを投げかけた。
「ソニック、貴方……」
 ハリネズミでありながら、とても素晴らしい考え方をする、と黒子は思う。ここまで自分の損得を考えずに他者を救う者は、人間では少ないであろう。
「わたくしもまだまだですわね。風紀委員(ジャッジメント)として治安を維持する身ではありますが、それがわたくしの務めであると思っておりましたわ。ですが、本当は違いますの。務め云々ではなく目の前で困っている人を救う。これが本当の人助けですのね」
 黒子はあることを決意した。
「わたくし、義務や使命のためではなく、本当に困っている人を助ける。そんな風紀委員(ジャッジメント)を目指しますの!」
 ソニックは小さく笑う。
「へへっ、そんなふうに考えるやつが少しでも増えれば、世界はもっともっとよくなるだろうな」
 よっと、とソニックは立ち上がった。
「さてと、そろそろオレは行くぜ。このZoneはしばらく走れそうにないからな、どこか別の所を走るとするよ」
「もう、行くんですの?」
 ソニックと会ったのは今日が初めてであったが、黒子は名残惜しい気がした。
「ああ、オレは気まぐれ屋だからな。一つの所にずっといるのは性に合わないんだ」
「何だか寂しいですわね……」
「なぁに、また会えるさ、きっとな。また会った時は、その時はまた戦おうぜ!」
「そう、ですわね。次に会ったら負けませんわよ!」
「ははっ、楽しみにしてるぜ。またなクロコ! See you later!」
 ソニックは軽い別れの言葉を残し、気まぐれな風のように走り去っていった。
「ソニック、素敵な方でしたわね。もちろん、お姉さまの次に、ですけど」
 黒子はこの世界の治安を守るべく、そして彼女の慕うある人物を探すため、新たな場所へと空間移動(テレポート)していくのだった。
作品名:電撃FCI The episode of SEGA 作家名:綾田宗