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電撃FCI The episode of SEGA

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「ああ、それでしたら……」
 黒子はソニックの横に並び、地面に刺さった鉄の針に触れた。同時に頭で座標を計算し、十一次元を通して自身の手の中に入るように針を空間移動(テレポート)させる。
 黒子の指先が触れただけで、力ではまるで動かなかった鉄の針があっさりと抜け、そのまま手中へと収まった。
「What!? ちょっと触っただけなのに抜けた!? クロコ、お前何をしたんだよ?」
 ソニックはかなり驚いていた。
 白い色をした鉄の針は、その半分以上が土で汚れている。そうとう深くに刺さっていたのは間違いなかった。
「ふふ、驚くのも無理はありませんわね。これはわたくしの能力、空間移動(テレポート)ですの」
「テレポートだって!? Wow,so amazing! クロコ、お前超能力が使えるのか!?」
「いえ、わたくしはレベル4、大能力者ですわ。学園都市では最高の能力はレベル5で、その方々を超能力者といいますの。そしてそのレベル5には、お姉さまが……ぬふふ……」
 黒子は突然、不気味に笑い始めた。これまでキリッとしていた表情とは大違いである。
「そっ、そうなのか……」
 ソニックは不意の黒子の豹変ぶりに苦笑いを浮かべる。
「ああ、そうだ、一体どうやってテレポートしてるんだ?」
 黒子の不気味な笑みは、ひとまず止まる。
「やっぱり気になりますの? 少し難しい話しになるかと思いますけど、それでも聞きたいと仰いまして?」
「ああ、聞かせてくれるか?」
「では、まずは能力がどのようなものなのか、そこからお話いたしましょう」
 黒子は能力についての話をし始めた。
 黒子の住む学園都市では、能力開発の技術が進んでおり、学生は大小様々な特殊能力を有している。
 熱量や力量、果ては人体の血流、生体電流、地球の自転など、ありとあらゆる物質の方向(ベクトル)を操作して反射する一方通行(アクセラレーター)という能力。
 人の思念に干渉し、洗脳、記憶の消去、復元などを可能にする、心理掌握(メンタルアウト)。
 そして、電気を自在に操り、最大十億ボルトの電圧を使用した放電、落雷を発生させ、更には電磁力によって鉄筋コンクリートを集めて足場としたり、砂鉄を集合させ、超高周波数の振動を持つ剣を作り出す。
 極めつけは、腕の周りに磁界を発生させ、コインをローレンツ力によって実に、音速の七倍もの速さで撃ち出す超電磁砲(レールガン)を放てる能力、電撃使い(エレクトロマスター)。
 黒子は心酔するあまりに、慕う存在である電撃使い(エレクトロマスター)の説明だけ仰々しくなってしまったが、これらの能力は学園都市に七人のみ存在するレベル5、超能力に当たる力であった。
「へえ、なかなか面白いじゃないか。特にもそのRailgunとかいうのは興味あるな。へへっ、オレとどっちが速いか比べてみたいもんだぜ!」
 ソニックは言う。
「そう! お姉さまの、お姉さまの電撃は最高ですのよ! ……ぬふふふ……!」
 黒子は目をぎらつかせ、指をぐねぐねと動かしながら身悶えし、恐ろしい笑い声を上げる。
 この様子では受けたことがあるのか、とソニックは少し引きぎみに思った。
「……そうだけどクロコ、お前テレポートができるんだよな? 実はオレも似たような事ができるんだ」
 そういうとソニックは、背中の針の間から何かを取り出した。
 それは手のひら大の宝石であり、赤く澄んだ色をしている。
「んまっ! ずいぶん高価そうな宝石ですこと!」
「こいつは、カオスエメラルド。宝石としての価値はちょっと分からないけど、ものすごいPowerを持っているんだ」
「それ、本当にエメラルドですの?」
 黒子は不思議に思った。彼女の知る限りでは、エメラルドという宝石は緑色のはずであった。
「赤いエメラルドなんて聞いたことがありませんわよ?」
「まあまあ、細かいことはDon't thinkだ。カオスエメラルドは七つあって、その中には緑のやつもあるぜ。それはそうと、テレポートだったな、待ってな、今見せてやるよ」
 ソニックはカオスエメラルドを上に掲げ、掛け声を発した。
「カオスコントロール!」
 赤のカオスエメラルドは、ソニックの掛け声に呼応するように光を発した。
 ソニックがその光に包まれた次の瞬間、彼の姿は完全に消滅していた。
「そんな! 本当に消えた!?」
 普段黒子がやっている空間移動(テレポート)と同様に、ソニックは一瞬にしてその場から姿を消した。
「Hey,クロコ! こっちだぜ!」
 ソニックは約三十メートル上、ジェットコースターの線路ようにループしたコースの上に立っていた。
 そしてソニックはそこから飛び降り、体を丸めて、くるくる回転しながら華麗に着地する。
「へへん! 驚いたか?」
 ソニックは腕組みをし、得意気に笑った。
「もちろんですわ! その能力、まさに空間移動(テレポート)ですの。おまけに最初から自分を飛ばせるなんて、レベル4クラスですわよ。貴方、本当に何者ですの?」
「オレはソニック・ザ・ヘッジホッグ。何者でもないただのハリネズミさ。それに、カオスコントロールの本当の力はテレポートじゃない、時間をControlすること、まあ、止めたりすることだ。もう一人カオスコントロールができるやつがいれば、過去や未来にだって行けるんだぜ!」
 ソニックの能力は最早、黒子の想像を遥かに超えていた。
 空間を操作する能力は、黒子の空間移動(テレポート)のみならず、座標移動(ムーブポイント)といった能力があるが、時間を操作する能力はまだ開発されていない。
 ソニックが学園都市に来れば、新発見の能力で、新たな超能力者(レベル5)になれる可能性は十分にあった。
 黒子は未知の能力に心を奮わされていた。
「ソニック、一つお願いがありますの」
「What? どうしたんだ、急に改まって?」
「わたくし、白井黒子とお手合わせ願いますの」
「オレとやり合おうってのか。突然どうしたんだ?」
「理由は簡単、わたくし、貴方のその能力に感化されましてよ」
 ソニックはハリネズミでありながら、音速を超えた走行が可能な上、身体能力は人間のそれを圧倒的に上回っている。
 それに加え、空間移動(テレポート)や座標移動(ムーブポイント)と同系統の能力を持ち、これらにはできない時間の操作もできるという。
 これは直接戦えば、自身のスキルアップに繋がると黒子は考えたのである。
「わたくしには、御坂美琴(みさかみこと)お姉さまという憧れの方がおりますの。お姉さまは凄まじいまでの努力家でいらっしゃいまして、何度挫折しかかっても信念を曲げずに超能力者(レベル5)にまで上り詰めたお方。そんなお姉さまへより近付けるように、黒子は更なる高みを目指したいのですわ」
 ソニックは納得したように笑い、両手を腰に当てる。
「なるほどな、もっともっと強くなるために戦いたいってのか。へへっ、そういうStraightなキモチ、嫌いじゃないぜ?」
「では、お相手願えますの?」
「ああ、手加減はナシだ。ただし、この世界のルールの中で、だけどな」
「それはもちろん、承知の上ですわ」
作品名:電撃FCI The episode of SEGA 作家名:綾田宗