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テニスの王子様 10年後の王子様

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見てたんなら・・と抗議しようとしたが代わりに口から出てきたのは嗚咽だった。7年ぶりに会った彼はやはりあの頃と変わってなくて自分はこの人が好きなのだと再認識して。

 中1の春、初めて会ったあの時から心の中にためこみ、膨れ上がってく一方だった想い。会わない期間の方が長かったこの10年だけど、それでも彼を好きだという気持ちは途切れることがなく、今この瞬間に堰を切ったように想いがリョーマへと流れていく。涙と共に。 

「わ、私ね。リョーマくんから手紙をもらってすぐに仕事をやめてきたの」

「えっ?」

「だから・・リョーマくんと一緒にアメリカにいたいの。そのつもりで来たの。・・ダメ・・かな」


「竜崎は強くなったね・・なんか母さんと似てる気がする」

そう言って、まだ泣き顔のままの彼女の手を握り、片方の手で彼女のおさげを触りながら彼は今の想いを告げる、


彼の両親が出会い彼が生まれたこの地で。そして自分が一番超えたい相手のテニスの原点であるいわば全ての始まりである青学で出会ったこの彼女にあの卒業の日の会話の続きを・・




竜崎が待っているんなら・・逢えると思うけど?

って君にいってからもう何年になるかな

親父を超えて・・はいないけど

まだまだだとは思うけど

ここからは俺を支えてくれる人が必要だと

・・親父がそうだったように


さんざん待たせておいて

かっこいいことも言えなくて

かなり情けないんだけど

でっかい夢を君と一緒に掴みたい

そのほうがずっと楽しいって気づいたから


このアメリカの地で二人で・・