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こらぼでほすと 散歩1

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『吉祥富貴』のスタッフでMSパイロットなメンバーは週に一度は、ラボに来て簡単な訓練はすることになっている。シンとレイは大概は、ふたりセットだが、たまに一人ずつになる時もある。今回は、レイだけがやってきた。訓練を二時間ばかりすると整備して終わりだ。

 いつもなら管制室やらミーティングルームにいるじじいーずたちに声をかけて終わりだが、今回は違った。ブリーフィングルームには、虎と鷹、ハイネと珍しくトダカが待っていた。レイは、自分の身体のことを、まずトダカに説明した。その時に、事情を知っているじじいーずには話したほうがいい、と、言われて、今回の集まりになったのだ。虎は、知らなかったらしいが、まあ何かしらの疑問は感じていたらしく、俺も混ぜろ、と、捻じ込んできての参加だ。
 四人を見回して、「ご心配をおかけいたしました。」 と、頭を下げた。
「単刀直入に申し上げます。リジェネに身体のほうを取り替えてもらって、現在、俺の身体はイノベイドのものになっています。二十年は確実に、このまま過ごせるそうです。ただ、脳は俺のものですから、それ以降は老化具合によるので未確定です。この件は、ニールには伝えないで、活けるところまでいくつもりですから、協力を要請いたします。」
 はっきりとレイが、そう告げると四人はうんうんと頷いた。そういうことなら喜ばしいことだ。
「つまりだよ、私はレイが年老いていくのは見なくて済むってことさ。私の後は頼んだからね? みんな。」
 トダカにしてみると、自分が付き合えなくなる時がくる。だから、後を頼める人間に依頼したかったからレイに話をさせた。何かしら緊急の場合、ここにいるメンバーなら、なんとかできると信じている。
「トダカさん、勝手に引退できると考えてるなら甘いですなあ。レイのこともだが、ママのこともあるんだから、限界ギリギリまでは付き合わせますよ? 」
「くくくく・・・・そうか、あの呪縛からは逃れられたか。よしよし、白い坊主くん、これからもよろしくな。」
「これ以上には話は広げないから安心しろ、レイ。どうせ、キラは勝手に気付いたんだろ? そこまでだ。」
 虎と鷹とハイネが、そう言って認証も終わりだ。キラも、かなりとんでもない生き物だが、それだって知っている人間は限られている。それも呑み込んでいるメンバーだから、レイが増えたところで痛くも痒くもないらしい。
「とはいってもねぇ、虎さん。私は、きみらより、随分と年上だから、後のことは気になるんだよ。もちろん、うちの子たちに付き合える限りは付き合うけどね。」
「ママニャンのほうは、きっちり頼みますよ? お父さん。レイのほうは、これで安心だから放置だが、あっちは日々、いろいろとやりやがるから。」
 鷹のほうはニカニカと笑ってレイの頭を撫でている。事実を知っていた鷹は、レイのことも気にしていた。なんせ、あの男は、今のキラの年齢で仮面を被っていたからだ。素顔を知っている鷹はレイの顔で、すぐにピンときた。だから、ずっと気にはかけていたらしい。
「あははは・・・きみらも構いにいけばいいだろ? どうせ、刹那くんたちが再々始動すれば、また落ち込むんだからさ。」
「それは考えている。アイシャやマリューも、それとなく出動させるさ。」
「リジェネのことだから、おまえのためじゃなくてママニャンのためって言い切ったんだろ? レイ。あいつ、ほんとママニャンには甘いよな。」
「ええ、俺が老化してママが泣くのはダメなんだそうです。俺も、それが気懸かりでしたから、とても有り難い申し出でした。ギルにも、簡単に話はしてありますので、今後、そういう意味の里帰りはしなくてよくなりました。」
「調べさせろ、とは言わなかったのか? あの変態。」
「ええ、プラントの技術では、到底無理だと申し上げて断りました。ヴェーダの機密になることです。俺も、それは洩らしたくない。」
「なら重畳だ、レイ。あれさえ撃退しておけば、どうということもない。アカデミーを卒業したら、うちに就職だ。」
「ええ、そのつもりです。まあ、再々始動如何で卒業年数は変わるとは思いますが、なんとかなるでしょう。」
 刹那たちの組織は再々始動する。それについて、こちらがアプローチすることがあれば、その間はアカデミーを休むことになるから、そこいらは、これからのことで不明だ。さほど、おかしな事件がなければ、二年ばかりでレイも卒業できるつもりをしていた。




 九月に入り、学生組は学校が始まった。寺も通常業務に戻っているが、太平洋で台風が発生した頃、ニールのところへドクターから定期健診のお知らせがあった。いろいろと厄介な身体なので、定期的に検診は受けなければならない。今回は、遺伝子の状態も調べるので一泊二日で本宅に徹底的にやるとのことだ。台風がくれば、ニールは、あまり動けないので、そこいらの時間を使えば一石二鳥ということらしい。携帯端末を切ってから、坊主の前に座る。
「検診なんですが、三蔵さん。」
「おう。」
「一泊二日で台風の到来に合わせてやるそうです。」
「ああ、ちょうどいいじゃねぇーか。今のところ、これといった行事もねぇーんだから。」
 台風が近くを通過すると、ニールは動けなくなる。それなら医療設備の整ったところに居座っていれば問題はない。最悪、医療ポッドに叩き込んでもらえば、後の被害もないから坊主も二つ返事だ。
「台風だけはなあ。」
 ニールもドクターの意見に賛成して苦笑する。遺伝子情報の異常は完治しているはずなのだが、やはり急激な気圧変化には身体が対応していないからだ。
「マシにはなっただろ? 」
「まあ、そうなんだけど。」
「チビ猫たちは予定がないはずだが? 」
「ええ、俺のとこにも連絡がないから大丈夫だと思います。まあ、二日だから待っててもらえばいいし。お彼岸に当たってもいいですか? 」
「台風なら回向もないだろう。墓参りに来るバカもいねぇ。適当に掃除だけしておけ。」
「はいはい。」
 さすがに、お彼岸とはいえ台風が直撃すれば墓参りする人間は少ないし、回向の予約も断れる。とりあえず墓の掃除だけしておくか、と、ニールは予定した。あとは店で予定を告げておけば、それなりの対処はしてもらえる。


 店に出勤して八戒に、ニールの不在時の説明はしておくことにした。一泊二日なら用意しておけば、問題はないはずだが、うまく二日で帰れない場合もあるからのことだ。
「そういうことなら了解です。メールをくだされば、寺に顔は出しておきます。」
「すいません、お願いします。段取りはしていきますが、なんかあったら、そこいらは臨機応変ってことで。」
「例えば、オーナーに拉致されるとか、どこぞの国家元首に拉致されるとか、そういうところか? ママニャン。」
「そういうのもあるんでしょうねぇ、悟浄さん。ラクスか戻ってる時だと帰れないかもしれないし。」
「まあ、オーナーやカガリさんが拉致するのはしょうがありませんよ。たまのことですし、付き合ってさしあげてください。」
「それ、俺が誘拐してもいいか? 白猫ちゃん。」
作品名:こらぼでほすと 散歩1 作家名:篠義