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こらぼでほすと 散歩1

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「はいはい。何も買わなかったのか? 」
「これといってはなかった。」
「リジェネ、明日、八戒さんの目的地がメールされてくるから頼む。ちょっといいホテルか旅館で。」
「くふふふふ・・・了解。あ、でも、僕、いい旅館とかホテルって、よくわかんないからママとレイの意見も聞かせてくれる? 」
「場所によりけりだが、離れとかで二人っきりになれるのがいいんじゃないか? リジェネ。」
「ホテルだとスイートがいいんじゃないかな。観光するより部屋で、ゆっくりするんだろうから。この前のオーヴの旅館みたいなものだと思う。」
「じゃあ、いくつかピックアップしてみる。」
 世間知らずの箱入りイノベイドなので、いい旅館やホテルと言われても、リジェネにはピンとこない。そこいらは、レイやニールが選べばいいだろう。
「娘さん、キラ様のテーブルに。」
 トダカが、いくつかのカクテルを用意して、ニールを呼ぶ。滅多に現れないレアホストのニールがウエイターというのも、お客様は喜ぶので、トダカは自分では運ばない。はいはい、と、ニールがカウンターからホールのほうへ出て、それを運んで行った。
「なんの内緒話だい? レイ。」
「悟浄さんと八戒さんに旅行をプレゼントすることになったんです。リジェネがキラさんの追跡をかわせるので、シークレットで。」
「ああ、それはいいね。私も一枚噛ませなさい。」
「了解です。」
 普段から、いろいろと沙・猪家夫夫には世話をかけているので、トダカも、そういうことなら参加する。キラの追跡をかわせれば、二人でゆっくりしてもらえるからだ。



 沙・猪家夫夫が帰宅して、とりあえずシャワーを浴びてから、本日の話題に入る。携帯端末で特区の地図を投影して、どこがいいか、と、思案する。
「熱海は近すぎるな。もうちょい離れるか。」
「紅葉してるとなると、かなり北のほうになりますよ? 悟浄。東北温泉巡りでもしますか? 」
「いや、巡らなくていい。せいぜい、二泊だからさ。一箇所で、のんびりするほうが俺はいいけど。また、レンタカー借りるか? それなら行きはドライヴで帰りは飛行機っていうのもアリだから距離は稼げる。」
「二泊するなら景色のいいとこで、おいしいものがあるほうがいいんだけど・・・・ああ、ここは、どうですか? 」
「いや、ネットで評判になってるとこは予約できないだろ? 連休だぞ? それなら逆に紅葉してないほうが空いてる可能性があるか。特区の西なら妖怪ホテルが使えるな。それでもいいか。」
「いや、やめましょう。あれ、僕たちは関係者ってわけではないし、三蔵に頼まないと無理です。」
「じゃあ、ざっくりと海と山は、どっち? 」
「海のほうがいいかな。亭主がカッパだから川でもいいです。」
「俺、泳がねぇーからっっ。俺も海のほうがいいな。大概、遠征してんのは太平洋側だら日本海にするか。で、北か南か横断か。」
「行ったことないのは南と横断ですね。新潟、石川、福井、鳥取、島根、山口。兵庫と京都は外しますよ。」
「おまえとしては? 」
「新潟の地酒と魚は惹かれますねぇ。山口のフグというのも、なかなか。鳥取と島根、石川、福井は名物がカニなので時期尚早かな。」
「ヒレ酒で一杯は俺も惹かれるなあ。」
「じゃあ、山口で海べり、温泉と、このあたりでいいですね。リニアなら往復すれば往復四時間ぐらいで済むはずですし空港もあるから、どちらか手配してもらえるでしょう。」
 深夜も回りまくった時間だが、八戒は決定事項をニールにメールした。仕事が終わってから、なんだかんだと話していたら盛り上がってしまい、こんな時間になったのだ。ビールを手に、ネットでデータを拾っていたら、丑三つ時だ。
「今年は、ゆっくりできそうだ。」
「食っちゃ寝して温泉三昧なら、どこでもいいんですけどねぇ。どうせ、僕の亭主は寝かせてはくれないでしょうが。」
「俺一人の所為にするか? 誘ってるのは、おまえのほうだろ? 浴衣で襟元肌蹴られて、大人しくしてられると思うな。」
「そう言われてもねぇ。あはははははは。風呂上りに肌蹴てるのは正当防衛です。誘ってません。」
 ぐいーっとビールを空けて、八戒は大笑いだ。こんなふうにね、と、パジャマのボタンを外している。それを誘ってないと言うのは、すでにおかしいだろ? と、悟浄は内心でツッコミつつ、立ち上がる。対面に座っていた八戒の横に立ち、ちゅっと鎖骨にキスをする。
「誘われたので対応させていただきますが、いかがですか? 女王様。」
「まだ週の初めなのでお手柔らかにお願いします。」と、女房のほうも亭主のコメカミにキスをする。誘う誘われるとかいう問題ではない。すでに、どっちも盛り上がっている。さらに亭主が女房の鎖骨あたりを嗅いで舐める、と、女房はイヤイヤと頭を揺らした。
「ここではイヤですよ?」
「わかってるよ。ほれ、担ぐぞ。」
「ベッドにしてくださいね。あと消灯。」
「うわぁー冷静だな? ここで、それをおっしゃいますか? 女王様。じゃあ、担ぐから電気消して? 」
「はいはい、キッチンのほうも廻ってください。」
 承知いたしました、と、亭主が女房をお姫様抱っこして立ち上がる。とりあえず、食卓。それからキッチン。と、順番に電気を消して寝室に消えた。
作品名:こらぼでほすと 散歩1 作家名:篠義