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こらぼでほすと 散歩2

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「確かに、じゃあ、せつニャンに本宅にいることだけ連絡しておけばいいか。リジェネから連絡させればいいな。」
「ソウネ。」
 リジェネはヴェーダと繋がっているので、刹那の携帯端末に連絡を入れることが可能だ。ハイネたちだと、いろいろと経由して連絡しなければならないので、こういう時は容赦なくリジェネを使う。

 翌日の午後前にドクターから連絡が入り、ハイネがニールを搬送した。その頃には、ちょい軽い頭痛がするといった具合で、寺の女房も大人しく移動することにした。
 ポッドに入って、数時間後、刹那はギリギリ着陸した飛行機でやってきた。リジェネから連絡をもらって、とにかく辿り着くために最速でやってきたのだ。検診と台風からの避難で医療ポッドに収まっている親猫を、ちょっと観察する。まあ、具合が悪いわけではないので、気分的には楽なのものだ。
「台風が通過したら、ポッドを開ける予定だよ、刹那。それまでに並行して検査もされるから明日の午後前になる。」
 リジェネが、そんな刹那に治療計画は説明してくれた。それまでに、やっておけることはやっておくか、と、刹那はキラと連絡を取った。密造フラッグについての質問やら実際に稼動させての問題点なんかのことだ。まだ上陸していないので、それならラボへ移動しようと、キラも動き出す。刹那の滞在時間は十日だから、ニールの側にいるなら、ここで仕事は終わらせるにこしたことはない。
「リジェネ、キラとラボに行く。おまえは、どうする? 」
「僕は、ママの経過観察が担当だ。覚醒時間は報せるから、それまでに仕事は終わらせて。」
「了解した。早々に連絡をくれて感謝する。お陰で時間が有効に使える。」
 リジェネが連絡してくれなかったら、急がなかった。そうなると、どこかで足止めを食らったから、刹那もペコンとお辞儀した。
「あははは・・・ママは刹那が一番可愛いんだもん。居られる時間は、枠ギリギリまで使ってもらわないとね。もし、旅行とか希望なら手配するよ? 」
「いや、ニールに希望を聞いてからにする。」
 別に、刹那は旅行したいとは思わない。誰がニールの側に居ても刹那には関係ない。ニールの心は、ただの刹那に対するものだから、煩わしいことはないし、むしろ心地良いものだ。それを感じていられるなら、それでいいのだ。刹那の言葉にリジェネも微笑んで頷いた。他のマイスターたちならリジェネは寺から消えるようにしているが、刹那には、その必要がない。刹那は、おかんがいれば満足しているし、ママも刹那が、ゴロゴロしているのが嬉しいらしいからだ。


 ようやく、ミッションの段取りもついてティエリアに連絡を入れた。ここから宇宙に上がって、コロニーでの仕事になるので、少し地上で休むつもりだった。実兄のところへ帰らずに、アイルランドで、ゆっくりするか、と、思っていたら、刹那が特区に降りているという連絡に、はい? と、聞き直した。
「刹那だけじゃないが、しばらく、みんな、ミッションにかかりきりになる。そうなると、ニールのところに誰も降りない時間が半年以上になるから、フラッグの受け取りと確認も兼ねて、刹那を下ろしたんだ。」
「じゃじゃあ、俺も特区に行ってもいい? 」
「別に構わない。軌道エレベーターの予約に間に合えばいいから、好きにしろ。」
「わかった。特区に行く。ダーリンは、いつ降りたんだ? 」
「すでに特区に到着しているだろう。」
「了解、俺も飛行機で追い駆ける。」
 ロックオンは、ただいまユニオンに滞在している。ここからなら、十時間もかからずに特区へ移動できるから、すぐさま、チケットの手配をした。仕事以外で夫夫で一緒に過ごすことは、少ない。なんせ、ロックオンの亭主は、仕事関係者が居ると脳量子波の加減で落ち着けないから、女房であるロックオンですら休暇には一緒に過ごさないようにしているからだ。ただ、今回は、これからロックオンが潜入ミッションで数ヶ月ぐらいは逢えなくなるから、強引に逢っておこうと思った。とりあえず、実兄とゆっくりしてもらうのが優先だが、一日くらいはロックオンだけが独占させていただこうと予定した。だが、残念なことに飛行機が目的地につけるかどうかが微妙とのことだ。大型の低気圧が特区を通過するので、それ如何で着陸する空港が変更になるかもしれない、という条件付きだ。まあ、なんとかなるでしょう、と、ロックオンは、その飛行機に乗り込んだ。
 十時間後、飛行機は特区の西に着陸することになり、えらい遠回りすることとになる。さらに、ロックオンは特区の西なんてところは、まったく来たこともない場所だ。いつもの場所は、まだ台風通過中で飛行機が飛ばない。リニアに乗ってもいいのだが、移動するのが億劫でチケットだけ確保して、のんべんだらりと空港ラウンジで過ごすことに決めた。



 さすがに台風直撃では店は開けられない。『吉祥富貴』の臨時休業となった。そうなると、スタッフも暇なもんで、寺に現れたりする。レイは、オーナーの本宅へ出向いたが、シンは寺に顔を出した。晩飯を狙ったら、ちゃんと大目に準備されていた。
「俺のもある? 」
「大丈夫だ、シン。大鍋一杯あるからさ。」
「食わせてくれ、悟空。」
「おう、食え。その前に、雨戸閉めるの手伝ってくれ。」
 そろそろ風が出て来た。いつもは閉めない戸も風除けに閉める作業がある。本堂も、いつもはオープンだが、ちゃんと雨除け様の板戸があって、それを閉めれば雨風も凌げる代物だ。はいはい、と、シンが手伝って、窓やら扉やらを閉めて廻る。坊主のほうは、いつもの小型バイクを玄関に入れている。一応、直撃ともなると、それぐらいのことはする。
「本宅に行かなかったんだな、シン。」
「ああ、ねーさんが起きるのは明日の午後だって言ってたからさ。それなら、悟空とゲームでもやろうかと思って。」
「そうなるよなあ。俺も暇だったんだ。明日も休講みたいだから、午後から本宅へ行こうかと思ってた。」
「じゃあ、一緒に行こうぜ。オーナーは留守だから、すぐに帰れるはずだ。」
「んじゃ、帰りに買い物してくればいいな。おまえ、クルマだろ? 」
「そのつもりでクルマにした。レイもクルマで行ったから、乗れるだろう。」
 シンとレイも別々にクルマを用意してもらっている。アカデミーに入る前は共用していたが、選択したカリキュラムが違うので一緒に動くことが減ったからだ。ドタバタと戸締りして、終わる頃には、びゅーびゅーと風が巻き始めている。シンは泊るつもりだから、ゆっくり食事してゲームするだけだから、気楽なモノだ。
「ハイネも本宅かな? 」
「いや、ラボだと思う。ねーさんを送ってから、あっちに行ってるはずだ。台風でラボが破損しないように用心してると思う。」
「でも、ラボは地下だろ? 」
「通信設備は地上にもあるし、滑走路周辺の木が倒れたら厄介なんだってさ。」
「ふーん、そういうもんなのか。」
「らしいぜ。・・・サラダぐらい作るか? 」
「あるよ。ママが用意してくれた。明日の朝は、カレーうどんな。」
「おーさすが、ねーさん。」
「食いたいものがあるなら冷凍庫を漁れ。いろいろとあるから。」
「カレーとシチューのハーフハーフなんかいいな。」
「え? なに? それっっ。」
作品名:こらぼでほすと 散歩2 作家名:篠義