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こらぼでほすと 散歩4

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 相変わらず、黒猫の言動はストレートだ。それを理解している面々だけだから、騒ぎにはならない。むしろ、微笑ましいものとして認識されている。
「しょーがないなあ。ごめん、ロックオン。今夜は、おまえさんの亭主を貸してくれ。」
「えええええーーーーーーーっっ。」
「今夜だけ一緒に寝かせておけば、明日から好きにできるからさ。」
「好きにされるのは俺なんですけど? お兄様。」
「うわぁー聞きたくねぇ。」
 そこで、リジェネが、ちょっと遠慮して扉近くまで後退しているので、手で呼び寄せる。
「なに? 」
「ロックオン、リジェネ・レジェッタだ。俺の看護してくれてる。リジェネ、うちの弟のロックオン・ストラトス。どっちも、いろいろと言い分はあるだろうけど、挨拶しておいてくれ。」
 リジェネは、前回も遠慮してくれていたが、これから顔は会わせるのだから、とりあえず挨拶はしてもらう。ロックオンのほうは、ああ、と、頷いて手を差し出した。このイノベイドが何かをやらかした一因ではあるだろうが、今は実兄の看護人だ。最低限の挨拶はしておく。リジェネのほうは、ニールの顔を見て、「いいの? 」 と、首を傾げている。
「うちの子になったんだろ? リジェネ。それなら、ロックオンも身内だ。気にするな。」
「・・でも・・でもね、ママ。」
「・・・知ってる。ロックオンから聞いた。もう、対決することはないんだろ? どっちかというと協力体制になってるはずだ。」
 ロックオンの亡くなった恋人はイノベイドで、利用されて消えた。ロックオンが、イノベイドを感情的に、よく思えないのはリジェネにも理解できる。だから、なるべく関わらない方向で考えていたのだ。だが、ロックオンのほうは一歩踏み出してリジェネに視線を合わせた。
「もちろん、今でも俺の恋人に関係したイノベイドは許せないけどな。でも、おまえ、ティエリアの兄弟で、うちの兄さんの子供になったんだろ? ・・・・それなら、俺の身内だ。」
 ロックオンのほうも、それは分かっている。今現在、メインのイノベイドとしてヴェーダで活動しているのはティエリアとリジェネだ。どちらもニールにとっては大切な生き物なのだから、ロックオンが邪険にするわけにもいかない。これから組織の再々始動では、リジェネとの協力関係も必要になってくる。ほれ、手を出せ、と、ロックオンが促せば、リジェネも手を差し出す。
「この人、一人にすると碌なことがないから、そこいらは頼むよ。リジェネ。」
「・・うん、それは承知してる。僕はティエリアを裏切ることはない。そこは信用してくれていい。でも、ママを泣かせるようなことをしたら、確実にお仕置きするからね? 」
「泣かせるねぇ。三蔵さんを口説くとかか? 」
「ロックオン? それ死ぬから。お仕置きとかレベルじゃなくて、マグナムで撃たれるからやめて。」
「へ? 」
 リジェネの的確なツッコミに周辺も頷く。いちゃこらしている寺の夫夫だが、肉体関係に発展することはない、ということを熟知しているからだ。そういう悪ふざけは確実にマグナムで対処すると予想される。
「口説いてもいいけどね、ロックオン。ボコボコにされる覚悟してからのほうがいいよ? 」
「三蔵さん、そういう冗談は嫌いだからなあ。」
「ロックオン、それは俺のママを泣かせるよりは慌てふためかせるに該当しているぞ。」
 キラとアスランとレイも、それぞれツッコミだ。それでニールが泣くことはない。最後に、刹那が、「ニールを泣かせたら離婚だ。」 と、バクダン発言でロックオンを睨む。
「ジョーク、ジョークだよっっ。」
「俺のおかんが泣くのは、おまえが怪我したり拉致されたり死んだりすることだ。わかっているな? 」
 ニールが悲しむことを刹那が代表して言うと、うんうんと周辺も頷く。そして、ニール当人は苦笑している。
「まあ、そんなとこだろうな。・・・刹那、ベッド起こすから離れろ。」
 首筋に手を回している刹那に声をかけて、ベッドを起こす。起こしたら、刹那がまたぎゅっと抱きついている。トントンと、刹那の背中を叩いて、「泣くより茫然自失として壊れるんじゃないか? 俺。」 と、微笑んだ。
「それは俺たち全員が困る。」
「努力はするけどさ。まあ、仕置きされるようなことはないよ? ロックオン。とりあえずリジェネとも仲良くしてやってくれ。」
「了解。というか、あんたもだからな? あんたがいなくなったら、俺は地上に攻撃しかけるからな? ニール。」
「それ、まだ有効なのか? 」
「有効だ。俺の帰るとこがなくなるだろ? 」
 刹那とは逆のほうからニールに近寄り、ロックオンもハグしてニールの頬にキスをする。ただいまの挨拶だ。
「少し体重増えた? 」
「増えてると思う。おまえさんは変わらないな。」
「半年ぐらいで変化しないよ。気分は? 」
「悪くない。身体がだるいってだけだ。それも明日にはマシになる予定だ。」
「じゃあ新婚旅行から戻ったら、また飲みに行こうぜ? 」
「いや、そんなに慌てて戻らなくても、ちょっとぶらぶらして来いよ? 普通、新婚旅行って一週間とか十日はするもんだぜ? 」
「ダメだな。うちの亭主、あんたにべったりして英気を養わせないと仕事にならないからな。三人で、いや三蔵さんも入れて夫夫で飲みに行こうよ。」
「それは無理。うちの亭主、おうち呑み大好きだから外まで遠征してくれません。それに、そうなると、みんなついてくるぞ? 」
 なあ、と、周囲に話を振ったら、「行くー。」の大合唱だ。そうなると店で飲み会になって意味が無い。
「おまえら、たまには俺と刹那に兄さんを独占させろよっっ。」
「できると思ってる段階で、ダメダメだよ? ロックオン。」
「ママを連れ出せると思っている段階で、無茶だと気付け、ロックオン。」
「なんでだよっっ。おまえらは毎日一緒なんだから、たまには返せ。」
 ロックオンとキラとレイで言い争いになっているが、ニールは笑っているだけだ。別に呑みに行くぐらいは付き合うつもりだし独占されてもいいのだが、寺の日常の維持はするつもりだ。刹那のほうもバトルに参加するつもりはないらしく、ベッドに座り込んで、おかんに抱きついている。
「あんた、オークションにかけられているぞ? 」
「あははは・・・モテモテだな? 俺。・・・刹那、今、特区は秋の季節だ。前の桜とは違う景色が見られる。見たものを俺に教えてくれ。」
「わかった。花は咲いているのか? 」
「うーん、旅館に拠るから花があるかはわからないな。秋の花というものはあるから、そういうのを探せばいいんじゃないか? 俺はコスモスが好きだな。・・・・そういや、さっき読んでた雑誌に、コスモスの迷路っていうのがあった。」
「迷路? 」
 サイドテーブルに載せてあった生活情報誌を手にして、ニールがパラパラと捲ってページを広げた。背の高い種類のコスモスで迷路を作り、子供たちが、その中を突破できるようにしてある。この本宅にも、もっと本格的な木で作られている迷路があるが、それの簡易版だ。こういうのがあるんだよ、と、ニールが刹那に説明している。
「これは、どこだ? 」
作品名:こらぼでほすと 散歩4 作家名:篠義