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こらぼでほすと 散歩4

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「さあ? どこなんだろう。別に、ここに行かなくても、こういうものもあるから探して来いよ。ロックオンと特区の秋を満喫してくればいい。」
 その写真のコスモスの迷路は、色とりどりの花が咲いていて、とても綺麗なものだ。青空の背景が、さらに花を引き立てている。
「欲しいか? コスモス。」
「そのうち、寺でも咲かせてみようとは思うけど、栽培方法とか調べてからな。来年ぐらいに考える。まあ、迷路は無理。」
「そうか。」
「たとえばって話だ。特区は、季節ごとに違う花が咲く。そういうのを楽しんでくればいいと思ったんだ。桜は気に入ったんだろ? 」
「ああ。あれは綺麗だと思った。」
「だから、そういうの経験するといいんじゃないか? 」
「あんたも連れて行きたい。」
「悪りぃ、今回は無理。寺に帰ってから公園でも散歩しよう。・・・あそこ、花はあったかな・・・まあ、なくてもいいな。」
「ないなら、探しておく。あんたと見るのがいい。」
 いちゃこらと親子猫が会話しているのをロックオンも苦笑して眺めている。刹那も組織では、しゃんとしてマイスター組リーダーをやっているが、ここでは、ただの黒子猫だ。その環境が、一番の癒しになるから、ロックオンも止めない。
「つまり、三蔵さんとも、あの状態なんだよな? キラ。」
「そんな感じだね。」
「アスラン、寺から近距離で、どっかあるか? 」
「探しておくよ、ロックオン。あの様子じゃ、どうあっても刹那はママニールと花の観賞はやるんだろうから。」
「迷路というなら、別荘にはあるんだが・・・ママは出禁になっている。」
 レイが、ぼそりと言うと、ロックオンも、ああ、と、頷く。ただいま、ラボにはデュナメスとキュリオスが収納されている。あれは絶対に見せられない。
「秋の花か・・・大きな公園ならあるんじゃないの? アスラン。」
「時期が、どうかな。菊の季節には少し早いと思うんだ。まあ、探しておくさ、リジェネ。」
 まだ夏に近い季節だから秋の花というのは満開になっているところは少ない。そこいらは、アスランが探すことにした。そうこうしていたら、スタッフから食事の準備が出来たという報せがくる。さすがに六人ともなるとソファでは座れないから、それを端に寄せてテーブルを設置する。簡易の椅子も持ち込まれて、セットされるとワゴンで食事が運ばれてくる。それをアスランがスタッフとセッティングする。もちろん、ニールのほうはベッドに座ったまま、病人用にテーブルをセットされる。そこに刹那の分も置かれるが、ニールはしらっとスルーして話し続けている。
「今日、どーする? ロックオン。三人で寝る? 」
「いや、どっか部屋があるなら別でいい。」
「じゃあ、客室に準備してもらうね。レイとリジェネは? 」
「俺は食事したら帰ります。明日は講義があるので。」
「僕も別の部屋でいいよ、キラ。刹那たちが出かけたら、またくっついてるから。」
「じゃあ、スタッフに連絡しておくね。・・・ママ、ごはん食べよ? 」
 打ち合わせすると、いちゃこらしている親子猫に声をかける。はいはい、と、ニールは返事をして刹那に、ごはんを食べさせようと箸を持たせている。
「刹那、ごはん食べたら風呂に入れ。油臭いよ? おまえさん。」
「そうか。ラボで手伝いをしていたからだ。あんたは風呂に入らないのか? 」
「無理だって。動けるようになったら入る。」
「メシは食わせるぞ。」
「うーん、適度でいいから。」
「入るだけは詰める。」
「・・・う・・・」
 刹那の宣言に、ニールは困った顔をする。レイやリジェネは、ぎりぎりまでは詰めないが、刹那は本気で詰め込むので厄介だ。
「あの、刹那さんや、ロックオンにも食べさせてやれば、どうかな? 」
「こいつに? 何をとぼけたことを・・・ロックオンは自力で食べられる。あんたは食べないから、俺が詰めるんだ。」
「さいですか。」
「ちょっと、兄さん。・・・そういうことは、明日からやってもらう予定だから。いちゃこらしてくるから、今日はいいの。」
「いや、たまには新婚気分を味わえばいいかなーって。」
「人の居るとこでやるのは恥ずかしすぎるぜ。・・・・くくくく・・・刹那、明日、いいこと教えてやるよ。ものすごくエロいこと思い出した。くくくくくく。」
「明日は付き合ってやる。」
 ものすごくエロい顔でロックオンが言うので、ニールはげんなりした。いろいろといたしている実弟だから、そういうプレーも豊富に経験しているのだろう。とりあえず聞きたくないので、わぁーと耳を塞ぐ。すると、リジェネがロックオンに蹴りを見舞った。ついでに、キラも腹にパーンチ一発だ。
「ロックオン、僕のママはね、生々しい話は聞きたくないって言ってるよ。」
「そういうのはママ、嫌がるからやめてね? ロックオン。」
「聞きたくはないだろうな。」
 うんうん、と、アスランが頷いている。実弟と刹那の生々しい話なんて、ニールは聞きたくない。夫夫だから、やることやってるのは納得しているが、リアルな話は、やっぱり悲しい気分になる。
「別に、兄さん、清らかな性格ってわけでもないだろ? 」
「ないけど、おまえらの夜の話は聞きたくない。やりたきゃ、キラとアスラン相手にやってくれ。」
「あ、いいな、それ。メシ食ったら、そのまま大人の会話を楽しもうぜ? キラ。」
「別にいいけど。リジェネも参加する? 」
「僕はいいや。それなら、ヴェーダの用事をする。」
 食事して、すぐに寝てしまうニールに付き合う必要はない。ロックオンは、ちっとばかり暇つぶしに、キラたちと閨話で盛り上がることにした。
「それじゃあ、ママ。まずはスープから。刹那、頼む。」
「了解した。」
 レイが、サーモマグを刹那に渡す。これはジャガイモのすりつぶしたものがベースになっているのでニールが好きな味だ。逆手にレイは移動して、他の惣菜をスプーンに載せて待機する。まず、スープを飲ませて、その合間にレイが惣菜を口に含ませる。いやだ、と、ニールが抵抗しても、こればかりは容赦ない。ある意味、拷問なんじゃね? と、ロックオンが軽く退く。
「あの、ダーリン? ちよっと休憩したら、どうかな? 」
「いや、休むと食わない。まず最低限、詰めてからだ。」
「ロックオン、ママに必要なのは経口摂取だ。余計な茶々は入れるな。」
 刹那もレイも、必死で手を動かす。いつもはリジェネがやっているのだが、刹那がいるので気楽にテーブルから観察している。ああやって無理に食べさせても、小食なママでは大した量ではないのだが、やらなければ食べないので苦肉の策だ。別に誰もニールを苛めているのではないのだが、光景としては拷問に見えなくもない。
「ロックオン、悪いけど、これはルーティンの作業なんだ。ママは、こうでもしないと食べないんだよ。食べないと体力が戻らない。」
「リジェネ、これ、おまえもやってるのか? 」
「やってるよー。僕は泣きながらだね。・・・ママが具合悪いと僕は怖くなってダメなんだ。」
作品名:こらぼでほすと 散歩4 作家名:篠義