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こらぼでほすと 散歩6

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「はい、どうぞ。ダコスタも晩酌するか? 」
 ニールが準備を終えて戻って来た。しめじと菊菜のポン酢和え、刺身盛り合わせ、薄アゲと小松菜の煮びたしを卓袱台に載せる。どれも簡単で短時間でできる肴だ。冷えたビールも持って来て、坊主に酌をする。
「台風は、どうでした? 」
「思っていたより風が弱かったな。雨は酷かったが。・・・・おまえのほうは? 」
「通過中は寝てたんでわかりません。翌日も身体がだるくて起き上がれなくてまいりました。」
「諦めろ。それは、すぐに治るもんじゃねぇ。・・・・ていうか、そういう時は、グダグダしてりゃあいいだろ? 」
「寺で、それ、できます? 」
「起きられないのに、できるもできないもねぇーぞ? 這って家事するつもりか? 」
「いや、それは無理。」
「ならグダグダしてろ。俺は、別にかまわない。」
「はいはい、甘えさせてもらいます。・・・・ダコスタ、呑む? 」
 いきなり、話を振られてダコスタは反応が遅れる。いちゃこら会話が続いてたので油断していた。
「え、いや、まだいいです。」
「今、煮物は作ってるから、ちょっと待ってくれ。」
「帰ったら、俺も食うぞ。」
「もちろん、たくさん炊いてますよ。なすの煮物あたりです。マヨ焼きもつけましょうか? 肉じゃがは今から準備します。」
「それは明日の昼でいい。肉じゃがに糸コンは入ってるか? 」
「もちろん。あんた、あれがないとダメでしょ? あはははは。」
「死んで来い。メロンにチェンジだ。」
「はいはい。」
 で、ニールは薄く作ったきゅうり入りのサワーを持ってくる。坊主も機嫌良く、それを受け取る。いつもの寺の日常だが、どう見ても新婚家庭の風景で、ダコスタは居た堪れない気分になる。
「ママ、僕、ウーロン茶。」
「はいはい、ダコスタ。冷たいものでも、どうだ? アイスティーとアイスコーヒーとウーロン茶あたりなら、すぐにできるけど? 」
「じゃあ、アイスティーで。」
 リジェネが勝手にテレビをつけてアニメ鑑賞をはじめるが、すぐに坊主にリモコンで野球に変えられた。ぴぃーと台所に言いつけにリジェネは走ったが、寺の女房は宥めている。おやつとウーロン茶を用意して、とりあえず脇部屋に連れ出した。あちらにもテレビがあるので、そこへ移動させたらしい。すぐに戻って来て、ダコスタのアイスティーも運んでくれた。
「あ、ビールは、どこへ運ぶんですか? 」
「いいよ。自分でやるから。」
「荷物持ちは俺の仕事。メシ代代わりなんだから、遠慮なく。」
「じゃあ、台所へ二箱。残りは物置なんだ。」
「了解。」
 玄関に運んでおいたビールをダコスタが運んでくれる。五箱買ったが、誰かが来て宴会になると、あっという間に消えるので、とりあえずの分だ。瓶ビールのほうが容量はあるから、ネットで注文もしなければならない。荷物の移動が終わると、ニールは卓袱台でじゃがいもを剥く。
「肉じゃがの分か? 」
「ええ、なすは炊いてるんですが、こっちはこれから。」
「ほれ。」
 準備できたものから鍋にかけている。肉じゃがは、じゃがいもとニンジンが煮えなければならないから、ちと時間がかかる。裏技として圧力鍋があるので皮むきすれば、そこからは早い。亭主が、刺身を箸で女房の口に運ぶ。とりあえす、何かしらは食わせなければならないのは、坊主も基本姿勢だ。はいはい、と、いつものクセで女房もパカッと口を開く。
「呑むか? 」
「ダメダメ。なすが焦げる。」
「黒ちびは、今夜戻るのか? 」
「うーん、もう一泊か二泊ぐらいしてくればいいんですが・・・どうなんでしょ? 」
「さっき、リジェネが旅館はチェックアウトはしたって言ってたよ、ニール。帰ってくるんじゃないか。」
「いや、予約したとこは、そうだろうけど、どっか景色の綺麗なとこでも見つけて飛び込みで泊ればいいと思うんだ。せっかくなら夫夫で、そういうのもいいじゃないか。」
「黒ちびが、そんなことに時間を割くなら、おまえも連れて行かれるぞ。」
「言えてる。刹那は、ニールにべったりしてるのが大好きだからなあ。」
「それはそうだけどさ。」
「で、何を作るんだ? また、オムライスか? 」
「ふふふふ・・・肉じゃがです。」
「はあ? そんなもん、普通じゃねぇーか。」
「あと、イモサラダとなすの煮物。それと中華丼。」
「おい。」
「今日は、あっさりメニュー。帰ってきたら、すき焼きかハンバーグでもしようかな、と。ロックオンもいるから、うちの定番にします。」
 先に中華丼の準備をしてくれているので、副菜だけ作れば、本日の分は完了だ。明日から、ちまちまとしたものは作ればいい。刹那は肉類のほうが好きな様子だから、子供メニューを用意してみることにした。それなら、ロックオンにも馴染みだから食べられると予想している。
 そんなことで、ぐだぐだしていたら悟空たちが戻って来た。なんとか飛び散ったものは回収できたらしい。
「おかえりーママ。」
「ただいま、悟空。ごみの片付けしてくれて、サンキュー。」
「ああ、あと、本堂とかの屋根も、明日、チェックする。たぶん、瓦は飛んでないと思う。・・・それ、何になんの? 」
「肉じゃがとイモサラダ。夜には完成してる。」
「あれ? オムライスじゃねぇーの? 刹那、戻るんだろ? 」
「いや、おまえさんたちが中華丼の準備してくれてるから、今夜は、それでいいと思ってさ。」
「ああ、そうなんだ。あー腹減った。」
 すでに、シンとレイが自分たちのおやつの準備は始めている。悟空も、台所へ走り、ドンブリてんこ盛りの中華丼を二杯、運んで来た。いただきます、と、手を合わせて呑むように食べている。
作品名:こらぼでほすと 散歩6 作家名:篠義