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敵中横断二九六千光年3 スタンレーの魔女

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発射



バカめ、お前の考えなど、わたしは全部お見通しだ! 冥王星ガミラス基地で、そう考えてシュルツは拳を握り締めた。眼前のスクリーンには、氷の大地が弾けて水が噴き出すさまが映っている。

その光景はまるで火山の噴火だった。水柱は数キロメートルの高さに上がり、水煙はたちまちのうちに凍って雪となりながら周囲に広がる。〈ヤマト〉はその中にいるはずだが、姿は隠れてまるで見えない。

だが、それは肉眼での話だ。レーダーの〈眼〉は噴水の中の〈船〉をハッキリと捉えている。砲のオペレーターが叫んだ。

「〈ヤマト〉を確認! 照準を固定しました!」

「よし、撃て!」

とシュルツは言った。そうだ、〈ヤマト〉を指揮する者よ。お前はお前の考えがわたしに読めるはずがないとでも考えていただろう。生憎(あいにく)だったな。その驕(おご)りが命取りだ!

だが元々、海に潜って時間を稼いだところでお前に勝ち目などなかったのだ。〈反射衛星砲〉でひと突きに串刺しか、戦艦三隻によって嬲り殺しか、どちらかひとつの選択しかない。一思いにビームで命を絶ってやるのが、せめてもの武士の情けと言うものだ。

「反射衛星砲発射十秒前!」

砲のオペレーターが叫ぶ。九、八、七……。秒が読まれる。シュルツはもうひとつのパネルの、ビーム砲台を目指して飛ぶ敵戦闘機隊の状況を見た。彼らはもう砲台が地平線の手前に眼で見えるほど近くにまで迫っているが、それでも今からミサイルを射っても自分達の母艦を救うのには間に合わない。

「六、五、四……」

オペレーターが秒を読む。「〈ヤマト〉よ」とシュルツは言った。

「三、二……」

「お前はよく戦った。だが、これで終わりだ!」

「一、ゼロ!」

発射のスイッチが押される。〈反射衛星砲〉が、最大の力で火を噴いた。