敵中横断二九六千光年3 スタンレーの魔女
大体元々最初から行動がデタラメだったのだ。日本に来れば神の力が味方して、自分達に都合良く事が運ぶに違いないと言う気でいたのが間違いなのだ。まだ彼らはそのことに気づいていないし気づいても誤りを認めぬだろうが、彼らはみんな故郷では人からバカにされているので、今度のことでも帰れば笑われ、『どうしてそんなに冥王星が〈準惑星〉なのがイヤなの』と言われることになるのがわかっていた。一応。彼らの頭でも。
「どうすりゃいいんだ……」と口々に言う。「〈ヤマト〉は? 〈ヤマト〉はどうなったんだ?」
作品名:敵中横断二九六千光年3 スタンレーの魔女 作家名:島田信之