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愛ガアル華ノ杜
愛ガアル華ノ杜
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メトロイドプライム3コラプション サムスと銀河連邦

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スターシップの生体識別センサーの反応(シグナル)が識別不能のサインを送って来た。

この惑星「フェイザ」に近くにつれ、私の中の「フェゾン」エネルギーが大きくなって行くのを感じていた。恐らく、この惑星の主体であるフェンゾン・コアに私の中のフェンゾンが共鳴した結果なのだろう。私の遺伝子ゲノムは体内で増大するフェンゾンの影響をもろに受け、本来の遺伝子ゲノムの形とは大きく掛け離れたものになってしまった。結果、登録された遺伝子コードに今の私の遺伝子コードが合致しなくなり、スターシップは私を識別出来なくなってしまったのだ。

「わかった……そこで待っていてね」

スターシップは持ち主の位置座標を見失うと、自動的に追尾システムが起動するよう設定されている。バイザーに映し出される夥しい数のシステムログは、まるで飼い主を見失い、必死に探す飼い犬の遠吠えに思えた。
私はスターシップのあるサイトを後にする。私がここに来た目的は、諸悪の根源「ダークサムス」を打ち倒す為だ。奴は必ずこの惑星「フェイザ」にいる。今までは散々やられて来たが、もうこれで終わりだ……奴に洗脳され散っていったハンター達の為にも、必ずこの手で奴を葬ってやる……。
フェイザ軌道上では、連邦艦隊と宇宙海賊の船団が激しい戦闘を繰り広げている。時折瞬く強烈な閃光は、この何処ともわからない宇宙で一つの命が散っていった証なのだろうか。
連邦兵士、宇宙海賊、チョウゾ、ルミナス、ブリオニアン、エリシアン、そして名を馳せたハンター達……皆、立場は違えど、フェゾンに運命を狂わされた被害者達だ。この空で連邦と戦う宇宙海賊の戦闘員達も、フェゾン……もとい「ダークサムス」に操られ、強制的に戦闘に参加させられているに過ぎない。
そう……全ての根源こそが、この惑星「フェイザ」そしてその最深部で待ち構えているであろう「ダークサムス」に他ならないのだ。

「私の姿を借りて好き勝手やってくれたな……待っていろ、ダークサムス……」

私は目の前の巨大な穴にその身を投じた。












「深い……惑星の中心部まで通じているのか?」

私はこの巨大な穴を降りていた。見る限り足場に使えそうな場所は無さそうなので、重力に身を任せた自由落下だったが、着地の心配はしていなかった。今の私は、最早生物の理屈を超越した存在だ。身体の全ての筋組織、骨格、臓器、パワードスーツに至るまで、全ての組織が「フェゾン」により強化されている。バイザーに映し出されるステータス数値はその全てが異常値を示しているが、その数値はそのまま私の強化指数を示していると言ってもいいだろう。
その数値を見る限り、どうやら、私の中のフェゾンはコアに近づくにつれ、やはりそのエネルギーを増していっているようだ。
私のパワードスーツは定期的に体内フェゾンを体外に排出している。だが……それもそろそろ限界が近い。フェゾンの増加量がスーツの排出機能を上回れば、私は「ダークサムス」の手に堕ちるだろう。他のハンター達や今上空で戦う宇宙海賊達のように……。

「時間が無い……」

私はスピードブースターシステムをアンロックした。背中にあるブースターが熱を帯び始める。次の瞬間、大きな爆発音と共に私の身体は音速にまで加速された。

「……ブースターもフェゾンの影響下にあるのか…………速い……だが……!」

私の目には、遥か下にある惑星フェイザの地殻が見えていた。すかさず着地体勢に移る。

私は着地の瞬間、一瞬だけブースターを吹かし、身体を前方に回転させた。着地した箇所の地盤を激しく破壊しつつも、私の身体とパワードスーツは無傷だった。私はゆっくりと立ち上がる。着地の際に舞い上がった砂埃を左手で払いながら私は周りを見回した。
蒼く不気味な光を帯びた岩石で構成されたその空間は、明らかに自然に出来た構造物ではなかった。

「ここは……」

見る限り、その空間は何かの使用目的があって建造された空間のようだ。円形状に地面に設置された巨大なパイレーツ製のゲートを見るに、この下にはまださらなる空間がありそうに思える。私はスキャンバイザーを起動させこのホールの壁をスキャンした。かなり荒削りだが削岩機により削られた跡が見て取れる。スキャン結果を見るに、どうやらこれもパイレーツ製の削岩機で削られたもののようだ。

ザザ……ザザザ………ガガガ……ピーーー

その時、私のシップから中継通信が送られてきた。どうやらスターシップは何とか私を見つける事に成功したらしい。

ザザザ……さ……ス……ガガガ……

「通信が安定しない……スターシップ、もっと通信強度を上げろ」

ザザ……サムス……ガガガ……サムス!聴こえるか!サムス!

その声の主は、たった今、フェイザ軌道上で宇宙海賊の船団と戦闘中の筈のデーン提督だった。

「サムス!応答してくれ!サムス!」

「こちらサムス・アラン。現在、地下1万メートル地点の巨大な空間にいる。コアまでもう少しだ。そちらの状況を送ってくれ」

「サムス!無事だったか!……残念だが、あまり良い状況とは言えない……敵はフェゾンエネルギー兵器を多用してきている。腹立たしいがフェゾンエネルギーの応用技術は向こうの方が遥かに進んでいるようだ……」

デーン提督は如何なる状況下でも冷静さを損なわない。優秀な司令官たる者の素質を彼は全て持っている。だからこそ、この未知の宙域においても正しく艦隊を導き、強力なフェゾン兵器で待ち構えていた宇宙海賊とも対等に渡り合えたのだ。しかし、それも時間の問題だった。宇宙海賊の持つテクノロジーは銀河連邦の持ち合わせる最新兵器を駆使しても、とても覆る戦力差ではなかった。寧ろ、並の司令官ならば、此処に辿り着く前にワープ終了直後、宇宙海賊の待伏せを受け艦隊は全滅していた筈だ。そうならなかったのはデーン提督の確かな経験則と手腕の賜物だ。
ここまで戦い抜けたのはデーン提督だからこそなのだ。しかし、やはり、あまりに分が悪すぎた。次第に宇宙海賊どものフェゾンエネルギー兵器に圧倒されつつあった連邦艦隊の損失は、最早立て直しが効かないほどの数に達していた。これ以上の損害は艦隊を指揮する者として、決して許されるものでは無く、連邦軍上層部の判断がオーロラユニットの精神通信により通達され、撤退を余儀なくされていたのだ。

「時間が無い……サムス、これが最後だ。我々はこれよりリヴァイアサンによるワープの準備に入る」

「提督……気にしないでくれ……私はここで最後の決着をつける」

そうだ……無理に付き合う必要はない。提督は構成員数万人の艦隊指揮官だ。隊全ての命を預かる責任のある役職なのだ。それに比べ、私は一人。変えのきく賞金稼ぎに過ぎない。そもそも私自身もこうなる事は承知の上だ。バウンティ・ハンターとして生きると決めたあの日から、いつかは自分の命と他人の命を天秤にかける日が来る……それがわかっていた。