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Green Hills 第9幕 「無月」

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 返せ、と、シロウはアーチャーの手を掴み、ぱくり、とその指を咥えた。
「おい!」
 アーチャーの指を舐めつくして、口から抜くと、アーチャーは額を押さえて、何やら項垂れている。
「アーチャー?」
「っ……お前な…………」
「アーチャーが悪いんだろう、俺の楽しみを取ろうとするから!」
「無意識も、度が過ぎると……」
 はあ、と盛大なため息をつくアーチャーに、シロウは首を傾げるだけだ。
 自分でやっておきながら、アーチャーは少々失敗した、と反省することしきり。シロウは全くもって意に介していない。
 指を舐めるその仕草といったら……、とアーチャーは掌で額を覆い、清純派を装ったAVか、とつっこみたくなるのを飲み込む。
「アーチャー?」
 少し心配そうに訊いてきたシロウに、顔を上げ、
「今度は二人で行こうか。平日の空いた時間に、温かい店内でアイスラテを飲めるように」
 アーチャーが誘う。
「え、でも、でも……」
 尻込みするシロウに、
「私はお前と二人だけで行きたい」
 アーチャーは真摯な眼差しできっぱりと言う。
「……うん、行く、俺も、行きたい」
 満面の笑みで答えたシロウの頬を包み、アーチャーは優しく口づけた。


Green Hills 第9幕 「無月」 了(2016/6/14初出,10/5誤字訂正)