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同調率99%の少女(8) - 鎮守府Aの物語

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 次の授業が終わり、流留が別のクラスの男子生徒と話そうと教室を出て向かおうとする途中、一人の男子生徒から話しかけられた。違うクラスだが、彼女が接する男子生徒の中ではそれなりに交流のある、三戸基助だ。

「あ、内田さん。今いい?」
「ん? あぁ三戸くん? なぁに、どうしたの?」
「うん。実はさ、内田さんに話したいことがあってさ。今時間いい?」
 これから別の男子生徒のところに向かう途中ではあったが、別にその男子生徒と約束を取り付けていたわけでもなく、休み時間を潰せるだけの時間を取れるなら誰でもいいと流留は思っていたため、三戸の話を聞くことにした。
 二人はお互いのクラスの教室から少し離れたところの、階段の向かいの窓際に寄り添って話をすることにした。同じ1年生の生徒はもちろん、たまに上級生も近くを通る場所だが、二人とも気にしない。


「そういやこの前のプール掃除は手伝ってくれてありがとう。内田さんたちが来てくれたおかげで早く終わったよ。会長たちも喜んでたよ。」
「あ〜。どういたしまして。」
 会話の潤滑油代わりに最初に一言感謝の言葉を述べた後に、三戸は本題を切り出した。

「ところでさ、内田さんは艦娘って知ってる?」
「艦娘?ううん。名前は聞いたことあるけど全然わかんない。それがどうしたの?」
「俺さ、会長……立場上は生徒会長としてじゃないけど、とにかく会長が艦娘部というのを作ったから、その宣伝に協力してるんだ。」
 流留は三戸からの誘いの言葉を聞いて、先日プール掃除の時、全員の音頭を取っていた光主那美恵という2年生の先輩のことを思い出した。おかしな格好をしていた人だと。あれはコスプレなのだろうかとその程度しか気にかけてなかったが彼女にしては珍しく、なんとなく気を引かれた同性である。

「あ〜もしかしてプール掃除の時にいた変なカッコしてた生徒会長だよね。あの人が?」
「うん。それで勧誘のために展示を見に来てくれる人を増やしてるんだよね。それでもしよかったら内田さんにも艦娘部の展示を見に来てほしいと思ってさ。どうかな?」
 流留は艦娘のことは全然わからないので特段興味があるともないとも言えず答えようがなかったので、うーんと言葉を濁す。よくわからないがなんとなく気にはなるので三戸の更なる説明を聞くことにした。

「俺一度会長やその艦娘の人たちのこと見たんだけど、艦娘ってさ、○○っていうゲームみたいに普通の人間がヒロインになって戦う感じなんだ。まさにそのゲームが現実になったようだったよ。すげーとしかもう表現出来なかったもん。」
 一度プレイして前にハマったことがあるゲームの名が出てきたので流留は少し気になった。
「え〜そんなゲームみたいなのが?ホントかな〜?」
「マジマジ。内田さんなら展示見るだけでも絶対楽しめると思うんだよね。どう?放課後視聴覚室で俺たち展示をしてるからさ、もし気になったら来てみてよ。動画もあるし、艦娘が使う装備も展示してるからかなり参考になると思うんだ。」
 三戸とはそれほど熱く話すことはなく、接する多くの男子生徒のうちの一人だったが、曲がりなりにも生徒会に身を置く人物。他の男子生徒よりかは信頼できるとふんだ流留は、その現実離れしたゲームような現実の存在が気になり始めたので、うんと返事をして三戸の話に乗ることにした。

「OK!しばらくは放課後毎日展示してるから、いつ来てくれてもいいよ。」
「せっかくだから今日行くよ。どーせいつも○○くんや△△くんたちとしゃべって帰るだけだし、特に用事もないから。あたし手ぶらで行っていいの?何か持ってくものある?」
「いんや。普通に来ていいよ。じゃあよろしく。」
 会話と言いつつも自分のお願いだけしていき、三戸は自分の教室に戻っていった。流留は窓際に一人きりになる。

((艦娘かぁ。ま、見るだけ見てみよっと。))
 その後彼女は教室に戻り、残りの休み時間を別の男子生徒と雑談して時間を潰すことにした。