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同調率99%の少女(8) - 鎮守府Aの物語

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「え〜、今回勇気を出して同調を試していただいた6名の方は残念ながら同調がうまくいかなかったということになりました。このように、艦娘になるには、艤装との相性が大事なんです。合格圏内になるには精神状態や健康など色々条件もあります。また、もしかしたら別の艦娘の艤装なら、今回の6名も合格できるかもしれません。こういう条件があるので、艦娘は自由に人を増やせないんです。やるぞぉ〜!っていう意欲ある人でも、艤装の同調に成功しないとダメですし、その逆でまったくやる気ないけど、艤装との同調に合格できる人が世の中にはいるかもしれません。」

 那美恵は胸に手を当てながら続ける。
「なのであたしとしては、一緒にこの学校で艦娘として戦ってくれる人を見つけて部に入ってほしいんですが、同調を試してもいいっていう人が集まらないことには、調べられないんです。ですからどうか皆さん、協力してください!もちろん仮に同調成功しても強制ではありません!必ずなってもらうことはないので、お気軽というのも変ですけど、試しにきてほしいなっていうのがあたしの素直な思いです。」

 思いの丈を見学者にぶつけた後、那美恵は締めた。
「どうか、よろしくお願いします!本日はデモ御覧頂いて本当にありがとうございました!」
 見学者に向けて深々とお辞儀をする那美恵。合わせて三千花と阿賀奈もする。
 見学者からは大きな拍手をもらって、艤装デモは幕を閉じた。


--

 見学者は全員プール施設から出て、日よけのところに那美恵達3人は座りながら雑談している。
「あー、緊張したぁ〜。ドッキドキだったよあたし。」
「なみえ生徒会長なんだからこれくらいなんてことないでしょ?何を今更。」
「いやいや。てきとーに生徒代表やってるときと、あたしがやりたいことのためにやるときの人前での演説は全然ちがうよ。」
 さらりと生徒会長時の本音をさらけ出す那美恵。親友の三千花はそれを逃さない。

「あ、今生徒会長は適当って言ったわね?それがあんたの本音かー。」
「テヘ、バレた?」
 那美恵と三千花はイチャイチャする。

 そして一緒にいた阿賀奈が今回の感想を口にした。
「今日はおもしろかったよ〜!二人ともご苦労様!先生もものすごくためになったよ! 先生もはやく職業艦娘になって光主さんと一緒に海の上歩きた〜い!」
「アハハ。あたしも期待してますよ、先生!」
 那美恵は普段の軽いしゃべり方を交えて先生である阿賀奈に接する。

「じゃあ先生、これから職業艦娘の試験の申し込みしに行くね? あなたたちはもう今日はなにもないんでしょ?」
「はい。あとはあたしたち、○○先生からプール掃除お願いされてるのでそれするだけです。それ終わったら帰りま〜す。」
「そう!お昼も過ぎてるから、休憩挟んでからプール掃除頑張ってね!」
「「はい。」」

 そう言って阿賀奈は重そうなお尻を上げて立ち上がり、プールサイドを歩いてプール施設から出て行った。

 ふたりきりになったプールサイドの日よけ。那美恵と三千花はお互い素直な感想と展望を語り合う。
「今回はすごく好評だった気がしない?」
「そーだねぇ。結果はアレだったけど実際に生徒に同調試してもらえたし、これで来週も興味を持続させてくれればいいんだけどなぁ。」
「きっと、大丈夫よ。」
「おぉ!?みっちゃんすんげー前向きで優しいぞ!大好き〜」
 三千花から優しい言葉をかけられて、ふざけつつ三千花に抱きつく那美恵。しかしプールサイドは暑い。三千花は2秒以内に那美恵の頭を押して彼女をひっぺがした。
 そしておでこを撫でながら那美恵はこの後の予定を確認した。

「そんじゃま、今日のところはこれでよしとしますか!さーてみっちゃん、お昼買いに行こ?」
「えぇ。その前に毛内さんと三戸くんに報告に行かなくちゃね。」

 那美恵と三千花は艤装を台車に乗せてプールから運び出し、校舎に戻って視聴覚室へと仕舞いに行った。そののち、書記の二人と合流した那美恵たちはお昼休憩をとった後、依頼されたプール掃除をしに再びプールへと出向くことにした。