電撃FCI The episode of SEGA 2
一馬はギャングには目もくれず、裏拳で振り払った。ギャングはその一撃だけで吹き飛ばされ、気絶した。
「ああン? なんだテメェは……!?」
怒り心頭の静雄は、ただでさえ人相が悪いというのに、更に危険な存在だと分かる目をしていた。
しかし、それに怯むことなく、一馬は言い放つ。
「俺はついさっき最高の小学生に負けてな、すこぶる機嫌が悪いんだ」
「ああっ!?」
「運が悪かったんだよ、お前は」
「上等だコラァ! 人様のケンカの邪魔したんだから覚悟はできてるんだよなァあ!?」
「行くぞ!」
一馬と静雄のイグニッションデュエルが始まった。
開始直後、仲間をつれてこの場から去っていく智花の姿が見えた。
一馬は運が良かったと感じていた。
もとの世界ではあれほど強い少女はいない上、彼女はとても戦いにおいて真っ直ぐな心を持ち、そして仲間を思いやる気持ちがあった。
そんな少女、智花に会えたことは、この世界でしかあり得ない出会いであった。
一馬は、自らが営む孤児院の子供達にも、智花のように真っ直ぐな心を持ち、人を思いやれる人物になってほしいと願うのだった。
――元気でな、智花……――
「おいテメェ、何よそ見してやがる!?」
静雄がしびれを切らしたように叫んだ。
「ふん……手加減はしねえ。そんなに死にてえならかかってこい!」
極道の世界で最強と呼ばれた桐生一馬と、池袋最強の力を持つ平和島静雄の戦いが始まるのだった。
作品名:電撃FCI The episode of SEGA 2 作家名:綾田宗