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同調率99%の少女(10) - 鎮守府Aの物語

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「というわけで那美恵ちゃん。前にあなたが言ったとおり、早速神通の艤装との同調、試しちゃってください。こっそり持ってきたとはいえ、これで同調できれば万事OKだし、ダメだったら一応持ち帰らないといけませんので。」
「はい。……でもそろそろお昼休み終わってしまうんです。放課後ってことじゃダメですか?」
 那美恵の提案に明石はアゴに指をあてて首を傾けて考える仕草をしたのち、答えた。


「私はかまいませんが提督にバレるとまずいんで。じゃあこうしましょう。放課後試してダメだったら、帰りにでも鎮守府に返しに来て下さい。私今日は18時すぎまで工廠にいるんで待ってますから。同調できたなら、何か適当に一報入れてくれるだけでいいです。」

「わかりました。あ、それと川内の艤装、コアユニット以外は持ち帰ってもらってもいいですか?」
「え?いいけど、なんでコアユニットだけは残したいんですか?」
「はい。内田さんに、もう一度ちゃんと同調をさせてあげたくって。」
 那美恵はそう言い視線と身体を合わせて流留に向けた。それに気づいた流留は確認する。
「会長……いいんですか?」
「いいもなにも、あなたはもうすぐ川内になるんだから、自分の担当艦の艤装を確認しておきたいでしょ?」
「それはそうですけど、明石さん。いいんですか?」
 流留は明石の方を向いて目で疑問を投げかけた。

「うーん。そういうことなら、OKです。じゃあ川内の艤装のコアユニットは後で返しに来て下さい。」
「はい。一度内田さんに試してもらったら、今日帰りに内田さんと一緒に鎮守府に行きます。川内の艤装と、神通の艤装交換っこということで。」

 明石は那美恵の話を承諾し、試すことになる中心人物である流留もそれに承諾した。


--

 お昼休み終わる間近、那美恵たちは川内の艤装を運び出し、駐車場に止めている明石の乗ってきた車に積め込みに行った。

「みんな、運ぶのありがとうございますね。」
「いえいえ。どういたしまして。」
 那美恵たちはそれぞれ返事をした。
「それじゃ、またあとで鎮守府で会いましょう。流留ちゃんも、早く鎮守府に来てくださいね〜」
「はい!」

 機材を積み終わった車は明石の運転によって高校の正門へと進み、鎮守府へと帰っていった。