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綾瀬しずか
綾瀬しずか
novelistID. 52855
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あゆと当麻~家族ごっこ

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「私、当麻もかゆも征士も伸もナスティも大好きでずっとこのままでいたかった・・・。でも時間はすぐに過ぎちゃう。皆はきっと小田原が我が家だと思うだろうけれど私はこの家が我が家だった。今もそうなの。嫌なこともつらいこともいっぱいあって楽しいこともいっぱいあって。ここで暮らした三年間は何物にも代えられない宝物なの・・・」
泣きながら亜由美はナスティに気持ちをうち明ける。
「実家になんか帰りたくない・・・。でも帰らないと行けなくて・・・。寂しくて寂しくてずっと悲しかったの・・・」
そう言うと亜由美は泣き崩れた。
今までナスティとはあまり密接に関わることはなかった。大事な姉のようで壊したくないから距離をずっと取っていた。でも大好きな人には変わりなかった。いつも優しくてなにかしたら壊れそうでずっと守って上げたくなるような人だった。大事すぎて近づけなかった。ずっと押し隠していたナスティへの想いがあふれる。
始めて亜由美はナスティにすがって泣きじゃくった。
ナスティは優しい瞳をして亜由美を抱きしめる。
「可愛い妹を泣かせるのはあたしの趣味じゃないのよ。いつだって帰ってきて良いから。あたしは一人暮らしてるかも知れないけれども帰ってきたときは一緒にいて上げるから。どんなに遠く離れていてもあたしたちは家族よ」
ナスティの瞳にも迦遊羅の瞳にもうっすらと涙が浮かんでいた。

年に一回離ればなれだった家族が集まる日。
遼の誕生日。
どんなに離れていても心はつながってる。
絆を再確認する日。
その中に今は亜由美もいることが出来た。
昔は怖くて中にはいることすら出来なかった家族の輪の中に入ることが出来た。
亜由美と当麻は遼の誕生日の後ナスティの残してくれている家に一週間ほど雲隠れする。大事な思い出の宝物を取り出すために。
そして亜由美は当麻と共に戻ってきて新たに得た元気を配給して回る。
家族のいるところ。それが今の亜由美の居場所だった。小田原も都内のナスティの家でも同じ。皆がいるところ、それが自分の居場所だった。
泣いて笑って怒った日々。過ぎ去った日々が亜由美の心を満たしている。
でも仲間と会っていつも得るのは未来への希望。
希望があるから生きていける。
この仲間に出会えて良かった。
亜由美はいつものように優しく微笑んでいるナスティに向かって感謝の言葉を告げる。
「ありがとう。ナスティお姉ちゃん」
ナスティは嬉しそうな笑みを浮かべて亜由美を抱きしめる。
「あたしたちはいつだって家族よ」
その言葉に亜由美は大きくうなずいた。