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What's the name of the Game

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 公園でベンチに腰掛けて、二人はあの日のようにジュースを飲む。といっても今日はロイもアイスコーヒーを飲んでいて、そこがあの日と違うといえば違う。
「軍には慣れたかい? エドワード」
「うん。…じゃなかった、はい」
「別に二人の時にはどうでもいいよ」
 ロイはくすりと笑った。
 あれから、隙あらばエドワードを中央に呼び寄せようとする大総統と、虎視眈々と息子を取り返そうとする教授との三すくみの争いが実は水面下で続いているのだが、今の所ロイのチャンピオンベルトが奪われる気配はない。そしてベルトを保持している間に、ロイとしてはもっと決定的な関係の変化が欲しいなと企んでいたりする。
 …勿論、内緒だが。
「――エドワード」
「はい?」
 首を傾げる仕種の素直さは相変らず変わらない。癒されるなあ、と馬鹿なことを思いつつ、ロイはさり気ない様子で口を開いた。
「いつだったか、ノーカウントにしていいよと言ったこと、覚えているかな」
「……? ノーカウントって…何が?」
 怪訝そうなエドワードに、ロイは少々意地悪な笑みを浮かべる。
「――キス」
「…!」
 途端、ぼ、と火がついたようにエドワードの白い頬が赤くなる。
「あれ、やっぱり撤回しては駄目だろうか」
「…はっ?」
 長い指で顎を捕らえて、硬直している体を引き寄せるのなんて、造作もないことだった。
「もしもあれが初めてだったのなら、そのままで数えておいてほしいな、と」
 どうかな?
 と瞳を覗き込みながら、困った上官は口説き落とす気満々で問いかけたのだった。


 勝敗は、その夜エルリック少佐が自宅(寮)へ帰らなかったことからして、推して知るべし、と言ったところだろうか?

作品名:What's the name of the Game 作家名:スサ