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Lovin' you 3

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まだ完全に覚醒していない頭は深く考える事が出来ずに、その気持ち良さに身を委ねてしまう。
「昼間はキツイ事を言ってすまなかった。」
「…ん?え?ああ、…ううん。…貴方が怒るの…は当たり前…だ。きっと出撃してた…らみんなの足…を引っ張ってた。ホント…ごめん。自分が…情けない…。貴方…に笑われ…ても仕方な…。」
寝惚けた状態の為か、いつも様に意地を張らずに本音がスラスラ出てくる。
「そんなに気にする事はない。前の戦争で疲れ切った君の心と身体はまだ眠っているんだ。だが、きっともう直ぐ目覚める。そうすれば以前の君に戻れるだろう。」
「そう…か…な…、だといい…な」
「ああ、大丈夫だ。君はまた宇宙を飛べる。」
薄っすら目を開けると、慈しむ様な優しい瞳に心が安らぐ。
「うん…。また…誰かを守れる…様に…なりた…い…な」
すぅっと、アムロはまた眠りに落ちていく。
「アムロ?」
シャアは寝息を立てるアムロに溜め息をつくと、その頬をそっと撫でる。
すると、それに反応したアムロの唇が薄っすら開く。その仕草に、ある衝動が湧き上がる。
「アムロ…、そんな無防備な姿を見せて良いのか?言っただろう?続きは後で、と。」
シャアはアムロの頬に手を添えるとそのまま顔を近づけ唇を奪う。
開いた唇の隙間から己の舌を滑り込ませ、アムロの小さな舌を絡め取ると、そのまま吸い上げる様に愛撫する。そして歯列をなぞり更に上顎をなぞる。
すると、「んんっ」とアムロが息苦しそうに声を上げる。
「教えただろう?鼻で息をしてごらん。」
薄っすらと涙を浮かべつつ、言う通りにするアムロに愛しさが込み上げる。
「良い子だ…」
シャアは更に口付けを深め、その手は頬や耳を愛撫する。
目が覚めきらぬまま口付けに翻弄されるアムロは、その気持ち良さに意識を飛ばす。
シャアは長い口付けを存分に堪能するとそっと唇を離す。
アムロは薄っすらと目を開き、二人の間に伸びる銀糸を見つめながら、朦朧とした表情で「もっと…」とキスを強請る。その官能的な仕草にシャアは求められるまま更にアムロの唇を貪った。
そして、一旦唇を離し、頬や瞼、耳朶へと唇を這わす。
「あっ…。んあ…、やっ…ん!」
アムロの喘ぎ声に理性のタガが外れそうになる。しかし、アムロの身重の身体を想い、それをグッと堪えると、シャアはそっとアムロから身体を離した。そして、朦朧としているアムロの瞼の上にキスを落とす。
「アムロ…、このまま君を連れ去りたい。しかし、私は明日、宇宙に帰らねばならん。…次に地球に降りた時には必ず君を宇宙に連れて行く!」
アムロに毛布をかけ直してやると、再び意識を飛ばしたアムロに触れるだけのキスをする。
「君は自分を信じて、その翼を広げるんだ。」
耳元でそっと囁くとシャアは静かに部屋を出て行った。



section11

地平線から登る朝日がアウドムラの赤い機体を照らし出す。
「ーーーんっ」
アムロは目を覚ますと、大きく伸びをする。
「ん?何だろ…。」
唇になんとなく違和感を覚える。そして、寝ぼけながらも、じわじわと昨夜のシャアとのやりとりを思い出す。
その途端、カッと顔に熱が集まる。
「あ、アレって…、夢?いや、でも、この感覚って…、え…、夢じゃ…ない?…あ…。」
唇に手を当て、ベットの上で茫然とする。
そして、その行為の間に言われた言葉を一つずつ思い出す。
『大丈夫だ。君はまた宇宙を飛べる。』
『君は自分を信じて、その翼を広げるんだ。』
ーーー出来るだろうか…。
アムロはベットから飛び降りと、急いでシャワーを浴び、ドックへと駆け出した。

ドックに佇むリックディアスを見上げると、意を決してコックピットに乗り込む。
シートに座ると一つ息をし、起動操作を始める。
操作パネルが立ち上がり、全天型モニターが起動してドック内が映し出される。
「うん…。大丈夫。」
自分の手が震えていないのを確認すると、そう呟いた。
不思議だ…。昨日はあんなに怖かったのに今はこんなに落ち着いている。

アムロは装備の確認をして、そのまま調整を始めた。
時間を忘れて作業に没頭していると、目の前に食事のボックスが差し出された。
え?っと、見上げるとベルトーチカが「朝食よ」と、その裏表のない瞳で笑いかけてくれた。
「あ、ありがとう」
ボックスを受け取ると作業の手を止めてグローブを外した。

2人並んで食事をしながら、アムロは昨日、失礼な態度をとってしまった事を謝る。
すると、ベルトーチカは「気にしてないわ」とあっさり許してくれた。
「こちらこそ、ごめんなさい。自分の好きな人を悪く言われたら嫌よね。」
その言葉に「えっ!」と目を見開く。
「いや、別に好きとかって訳じゃ…」
「嘘!だってこのキスマークつけたのって彼でしょう?」
ベルトーチカはアムロの首筋を指差して、びっくりした声を出す。
「ええ!キスマーク!?」
アムロは自分の首に手を当て記憶を辿る。
『ええ!いつ!?………ああ!そういえば昨日、シャアが首筋に顔を埋めてきた時、チクっとした痛みを感じたような…。』
そしてその時の情景も思い出し、顔が火照る。
「で、でも。何で彼だって…?!」
キスマークを誰が付けたかなんてわからないはずだ!
動揺する私にベルトーチカは「簡単よ」と言う。
「昨日、そのキスマークのところに貴女の髪とは違う、金色の髪が数本絡んでいたの。同じ金髪のドクターかとも思ったけど、2人ともそんな雰囲気じゃなかったし…。」
ベルトーチカの鋭い観察眼に感服する。
「それで、アムロとクワトロ大尉は付き合ってるの?」
という質問に全力で横に首を振った。
「?違うの?」
付き合うどころか、ほんの数日前に再会したばかりで、その前の一年戦争時は、殺し合いをした相手だ。その相手と付き合うとか、そもそもありえないだろう!
第一私のお腹には別の男性の子供がいる。
と、その事実にズキリと胸が痛んだ。
ぐるぐるの悩む私の様子に疑問を感じつつもベルトーチカは更に私へと爆弾を落とす。
「付き合っていないにしても、クワトロ大尉がアムロを独占したいくらいに思っているのは間違いないわね。」
「えええっ!」
すっとアムロのキスマークに触れるとクスリと笑いながら言う。
「キスマークって動物のマーキングと一緒で、"自分のもの"だっていう所有のマークでしょう?多分、あの時部屋にいた人達はみんな"コレ"に気付いていたわよ。」
あの時、部屋を後にした時の三人の複雑な表情を思い出す。
ーーーマジか…。
そんな状態であの人を庇うような発言したら、そりゃどういう事だと思うよね!
「うっ…!」
あまりの動揺に言葉が出ない。
「で?アムロはクワトロ大尉の事をどう思ってるの?」
興味津々に見上げる、エメラルドグリーンの瞳が私を問い詰める。
「私…は…!」
私はあの人の事をどう思っているのだろう…。昨日、キスされた時、驚いたけれど不快では無かった。あの優しい瞳に見つめられてドキドキした…。
でも、それがあの人を好きだという事になるんだろうか…。
「わから…ない。でも…嫌いでは…ないと思う。」
それが今の私の精一杯の答え。あまりの目まぐるしい展開に心がついていかない。
作品名:Lovin' you 3 作家名:koyuho