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はろ☆どき
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「はふはふ兄さん」&「君に舞い降りた雪」ロイエドカルテ&小話

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【はふはふ兄さん】


「ちわーっす」
「もう、兄さんたら。ちゃんと新年のご挨拶しなきゃでしょ」
 司令室のドアがガチャリと開いたかと思うと、対照的な二人の子供の声が聞こえてきた。
「あら、エドワード君、アルフォンス君。いらっしゃい」
 新年早々からきりりと麗しいホークアイが笑顔で出迎える。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
 そう言って、礼儀正しく頭をカショリと下げるのはアルフォンス。
「あ、えーと、どうもよろしくお願いしマス……」
 弟を見て、頭を掻きながら真似をするエドワード。
「こちらこそどうぞよろしくね。今年はもっと顔を見せに来てくれると嬉しいのだけど」
 どちらの子供も微笑ましくて見ているだけで和まされるので、大人達はいつも待ち構えているのだ。
「おー、大将にアルフォンス。今年もよろしくな」
「エド、アル、元気そうで何よりだ。今年はあんまり騒動起こすなよー」
 顔見知りのマスタング組の面々もそれぞれ声をかける。
「好き好んで騒動に巻き込まれてるわけじゃないっての!」
 トラブルメーカーの自覚がない兄の方が新年早々きいきい言うのを、溜息吐いて見やる弟と笑って見守る大人達。
「おや、何やら騒々しいと思ったら君たちが来ていたのか。久しぶりだね」
 奥の扉が開いて、執務室から出てきたのはロイだった。
「ご無沙汰していてすみません、大佐。今年もよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく、アルフォンス。息災そうで何よりだ。隣の兄の方も……変わりなく元気そうだね」
 ロイはエドワードの頭のてっぺんから爪先まで視線を巡らせてからそう言った。もちろん、エドワードにはわざとらしくにしか見えないものだったので当然噛みつく。
「その間はなんだよ! 去年よりす、数ミリくらいは身長伸びてるんだからな!」
「そうなのか? そう言えば、アンテナが少し長くなっているような……」
「それ、髪の毛だろ! ちゃんと背が! 高くなってるから! ……数ミリだけど」
「そうかそうか、それはよかった。君はどうも発育が悪そうだから心配していたのだよ?」
「大佐になんかご心配いただかなくても、こっちは成長期まっしぐらのばりんばりんだぜ!」
 ロイとエドワードが新年になっても変わらぬやりとりを始めたので、他の者達は二人を綺麗にスルーして話を始めた。
「ところでアルフォンス君が抱えているものはなんだい? なんか湯気が立ってるみたいだけど」
「あ、これはですね。皆さんに手土産というかおやつを持ってきました」
 そう言ってアルフォンスは両手に抱えていた紙袋をテーブルに置き、口を広げて中身を見せる。
「通りがかりの公園で縁日のようなものをやっていて、出店が沢山出ていたんです。兄さんがこれがいいって言うので『たこ焼き』を買ってみました」
「『たこ焼き』とは東の島国発祥とされる粉もの料理の一種で、小麦粉を主成分とした生地にタコと薬味を入れて球状に焼き上げた……」
「知ってる知ってる。最近屋台とかでたまに見かけるやつだろ。素朴だけど美味いよな!」
 美味しいもののことは、大人も皆よく知っているのだ。
「そうそう、それです。熱いうちが美味しいと思うので、よかったら冷めないうちに召しあがってください」
「まあ、ありがとう。ではさっそくお茶を入れるわね。コーヒーじゃない方が合いそうね。シンのお茶の買い置きがあったかしら……」
 ホークアイが呟きながら給湯室に向かおうとすると、アルフォンスが声をかけた。
「あ、兄さんには冷たいお水をもらってもいいですか。実は買ってすぐに熱々のを摘まんで舌を火傷したみたいで……」
「皆には黙っとけって言っただろ、アル!」
「あら、それは大変。医務室で見てもらわなくても大丈夫かしら」
「や、そんな大したことないから! こんなん舐めときゃ治るし。ってゆーか口ん中だから平気平気」
 エドワードはさすがにばつが悪いのか、慌てて言い訳をする。だがそんな美味しいネタを、目の前の上官が見逃すはずがなかった。
「火傷を侮らない方がよいぞ? 場合によってはかなり長引くこともある。どれ、どんな状態か見せてみたまえ」
「へ? や、ふがっ」
 エドワードが言葉を理解する前に、ロイはエドワードの顎を口が開くよう手で掴み顔を上向かせた。
「ああ、確かに舌の先が腫れて水ぶくれができているな。痛そうじゃないか。可哀想に」
 エドワードの口の中を覗き込みながら、ロイはいかにも心配げな顔をして言う。エドワードはロイの手を退かせようともがくが上手く果たせずふがふがと唸っている。その様子を見ながら、ロイは今度はおそらく故意に(今までもそうだったかもしれないが)わざとらしくにやりと笑った。
「生憎とここには薬がないな。だがそうだ、君の言ったとおり『舐めておけば治る』だろう。どれ……」
 ロイはエドワードの開いた口に顔を近づけると、器用にエドワードの舌を絡めとった。自分の舌で。
「!?!?!?」
 ロイの舌がエドワードの舌を吸い上げるように舐めとって離れる。エドワードは声にならない叫びをあげ、顔を茹でダコのように真っ赤にして失神寸前の状態だった。
「これで治りが早くなるぞ? 感謝してくれたまえ」
「!!!!!!」
「ああ、しまった。鋼のには刺激が強すぎたかな。逆上せてしまったようだから、執務室で休ませよう。さあさあ……」
 茫然自失のエドワードの肩に手をやり、抱えるようにしてロイは執務室へと去っていった。
「……大佐、そんなにお疲れなんですか?」
「……ええ、まあ。テロ予告の連発で年末年始の数日、自宅に帰れなかったのだけど……そろそろ限界だったみたいね」
「大将、連れ戻さなくて大丈夫ですかね」
「馬鹿だな、お前。馬に蹴られてなんとやらってやつだぞ」
「そうね……暫くしたらエドワード君にお水を持っていきましょう。大佐には冷めたたこ焼とぬるいお茶でよいかしら」
「お気遣いありがとうございます、中尉。あ、僕お茶を入れるの手伝いますね」
「ありがとう、アルフォンス君。助かるわ」
 こうして今年も変わらず生ぬるい空気が司令室に漂い、平和な年明けとなったのだった。

 尚、執務室内は熱々だったかもしれないけれど、平和には違わない空気が流れていたと推察する面々なのであった。

―完― 

20170108*THE GATHERING DAY*
はろどき拝