月と太陽
ーーー25歳のアムロ・レイの中にも15歳のアムロ・レイがちゃんと居る。当たり前の事だが、それがとても嬉しかった。
「ところで私を見つけたのはいいが、これからどうするんだ?アムロ」
シャアが問うと、アムロが「えっ!?」という顔をする。
「君…何も考えていなかったのか?」
シャアは思わず呆れ顔でアムロを見つめる。
「え、いや、とりあえず見つける事しか考えてなかった。その後の事は…」
うーんと悩むアムロは「うん」と頷きシャアを見上げる。
「とりあえずは貴方の側にいるよ。だって、貴方が言ったんだよ。「同士になれって。」「自分の側にいて支えろ」って。きっと俺は貴方を苦しみから救うために生きて来たんだよ。たとえ貴方が悪者だって俺は構わない。」
「悪者とは酷いな」
「だって貴方、何か企んでるだろ?だから身を隠してこんなとこで準備してる。」
確信を持った目でシャアを見つめるアムロにナナイは驚く。
『彼は気付いているのか?』
「ふふふ。どうだろうな。もしそうならばどうする?阻止するか?」
不敵に笑うシャアにアムロも微笑む。
「俺が貴方の進むべき道を照らしてやるよ。間違った道を行こうとしてたら俺が正しい道に導いてやる。その代わり俺が迷ったら貴方が道を描いてくれ!」
「それは心強いな。君はまるで私の太陽だな。差し詰め私は月と言ったところか?君の指し示す道を追っていく。」
ナナイは2人の関係は隠と陽だと思う。そして心で触れ合い真を問うのだと…。
end