檻
「ありがとう。あとは僕1人で出来るから君達は帰っていいよ」
新しく借りた家の地下へと臨也を運び込ませると、ブルースクウェアのメンバーに淡々と告げる。
「青葉君もありがとう」
笑みを浮かべて青葉を見下ろす帝人はそっと相手の頬を撫でる。帝人に触れられると青葉は小さく体を震わせ、構ってもらえる喜びに笑みを浮かべて顔をあげる。
「本当に青葉君には感謝してるよ。これからもよろしく」
優しく響く声にぞくぞくと背を震わせると青葉は思わず帝人へと抱きつく。
「どうしたの?」
青葉の行動に驚くこともなく頭を撫でてやり、顔を覗き込む。
「しばらく相手してあげられないけど、ちゃんと良い子にしていられるよね」
帝人の言葉にはっとして顔をあげると慌てて体を離す。「す、すみません。ちゃんとします、できます」
これ以上帝人の邪魔になってはいけないと焦った青葉は大きく一礼すると部屋を出て行く。
「臨也さんもああなってくれるといいんだけどな」
冷めた笑みを浮かべて青葉を見送ると未だ眠ったままの臨也に向き直り、ギシリと音を立ててベッドに乗り上げる。首輪と足枷を壁やベッドに繋がっている鎖でに繋いでしまうと、臨也のジャケットに入っていたナイフで躊躇うことなくシャツを切り裂いていく。ズボンも下着ごと脱がしてしまい、他に武器を隠していないことを確認すると、拘束していても簡単に着替えさせられるように一枚の布で出来た服を着せてスナップで止める。
「早く臨也さん起きないかな」
しっかり拘束出来たことを確認すると、その目が閉じられていることが不満になり、さらさらと触りごこちの良い臨也の髪を梳きながらぽつりと呟く。