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21 もう一つの窓の運命Ⅰ

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1904年11某日―

「ヴィルクリヒ先生、生徒さんの御父兄が面会に見えているので応接室にお通ししております」
事務員がヘルマン・ヴィルクリヒに告げに来た。
「どの生徒の父兄だ?」
「アーレンスマイヤ家の。ユリウス・フォン・アーレンスマイヤの母親です」

―アーレンスマイヤ?!

書き物をしながら耳だけ事務員の言葉に耳を傾けていたヘルマンの手がふと止まる。

「―分かった。すぐに行くと伝えてくれ」

―アーレンスマイヤと?!一体わたしに何の用だ

応接室のドアを開けたヘルマンの目に飛び込んだのは―!

「ヘルマン!」