24 目覚め
「う…うん…」
傷む身体に耐えて目を開く。
目に入って来たのは―、見覚えのないベッドの天蓋と高い天井―。
「こ、ここは…?」
ここはどこなのだろう…。そして、自分は…。帰らなきゃ…迎えに行かなきゃ…。でも…どこに?誰を?
まるで頭の中に濃い靄がかかったように、混とんとしている。
ベッドから上体を起こしあたりをキョロキョロと見回す。そんなユリウスの様子に、部屋に戻って来たナースが気付いた。
―すぐにドクターとヴェーラ様にお知らせして。
ナースが女中に命じる。
「目が醒めたのね?頭が痛むとかはない?」
ナースの問いかけにユリウスは痛む右腕を庇い、ベッドからふらふらと起き上がる。
「…帰らないと…!」
「帰るって…あなたの家はどちら?…お名前は?」
そんなユリウスを優しく制し、再びナースが訊ねる。
「名前…。名前は…」
―分からない!
ユリウスの碧の瞳が不安そうに揺れる。
「分からないの?じゃあ、あなたのお住まいは?…今は西暦何年だかわかる?」
ナースがユリウスに立て続けにユリウスに質問する。
―分からない…。分からない…
「Nein!」
ドイツ語で一言短く叫ぶと、ユリウスは頭を押さえてベッドに崩れ落ちた。
傷む身体に耐えて目を開く。
目に入って来たのは―、見覚えのないベッドの天蓋と高い天井―。
「こ、ここは…?」
ここはどこなのだろう…。そして、自分は…。帰らなきゃ…迎えに行かなきゃ…。でも…どこに?誰を?
まるで頭の中に濃い靄がかかったように、混とんとしている。
ベッドから上体を起こしあたりをキョロキョロと見回す。そんなユリウスの様子に、部屋に戻って来たナースが気付いた。
―すぐにドクターとヴェーラ様にお知らせして。
ナースが女中に命じる。
「目が醒めたのね?頭が痛むとかはない?」
ナースの問いかけにユリウスは痛む右腕を庇い、ベッドからふらふらと起き上がる。
「…帰らないと…!」
「帰るって…あなたの家はどちら?…お名前は?」
そんなユリウスを優しく制し、再びナースが訊ねる。
「名前…。名前は…」
―分からない!
ユリウスの碧の瞳が不安そうに揺れる。
「分からないの?じゃあ、あなたのお住まいは?…今は西暦何年だかわかる?」
ナースがユリウスに立て続けにユリウスに質問する。
―分からない…。分からない…
「Nein!」
ドイツ語で一言短く叫ぶと、ユリウスは頭を押さえてベッドに崩れ落ちた。
作品名:24 目覚め 作家名:orangelatte