42 僕の金髪ちゃん
「あれ~??」
事務所に入って来たザハロフがユリアを見て思わずワントーン高い声を上げた。
いつも長い金髪をきっちりと編んで結い上げている彼女が、今日は髪を結わずに下していたからだ。
ユリアの腰まで届く緩やかに波うった金髪が、今朝の雨模様の曇天にひときわ鮮やかに映える。
「あ…ごめんなさい。今日、朝から雨降りで腕の傷が痛んで…腕が上がらなくて髪を結えなかったんです。…うっとおしいですよね。もし目障りだったらショールを被るか…短く切ってきます」
ザハロフの視線に気づいたユリアが申し訳なさそうに、髪に手をやる。
「いや!いいんだよ。…いいんだ。それがいいんだ」
― いや~、今日は本当にいい天気だなぁ~♪
ザハロフは申し訳なさそうにしているユリアの金髪を指に絡めて軽く跳ね上げると、口笛を吹きながら上機嫌で冷たい雨の降る中任務へと出て行った。
事務所に入って来たザハロフがユリアを見て思わずワントーン高い声を上げた。
いつも長い金髪をきっちりと編んで結い上げている彼女が、今日は髪を結わずに下していたからだ。
ユリアの腰まで届く緩やかに波うった金髪が、今朝の雨模様の曇天にひときわ鮮やかに映える。
「あ…ごめんなさい。今日、朝から雨降りで腕の傷が痛んで…腕が上がらなくて髪を結えなかったんです。…うっとおしいですよね。もし目障りだったらショールを被るか…短く切ってきます」
ザハロフの視線に気づいたユリアが申し訳なさそうに、髪に手をやる。
「いや!いいんだよ。…いいんだ。それがいいんだ」
― いや~、今日は本当にいい天気だなぁ~♪
ザハロフは申し訳なさそうにしているユリアの金髪を指に絡めて軽く跳ね上げると、口笛を吹きながら上機嫌で冷たい雨の降る中任務へと出て行った。
作品名:42 僕の金髪ちゃん 作家名:orangelatte