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45 prelude

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― 実は…一緒になろうと…考えている女性がいてね。あ、いや、まだ彼女の意思はきちんと確認していなくて…ぶっちゃけ、今のところ僕の片思い…ってことなのかな、なんだけど。彼女が何をしてもらったら…何をもらったら喜ぶのか…ちょっと若いお嬢さんの意見を…あ、彼女君とちょうど同じぐらいの年頃なんだ―、参考に聞いてみたいと思ってね…。
その…君がアレクセイに貰ってうれしかったものとか…。

ズボフスキーの実直な相談事を、ユリウスはランチの手を止めて、じっくりと聞いていた。

「私の意見が参考になるのかは…分かりませんが…。きっと彼女はフョードルのその真心が一番嬉しいんじゃないかと思いますよ。「君が好きだ。一緒にいて欲しい」というその言葉と心が、きっと…彼女の一番もらってうれしいものだと思います。…だって、私が、自分がそうだったから。ご存知かもしれませんが、私は…ロシアへ帰国する主人に駆け落ち同然でついて来たので…。彼が自分を受け入れてくれて…自分を連れて行ってくれたことが…何よりも嬉しかった。正直彼に何か形のあるものを貰ったことは一度もありません。…強いて言えば可愛い息子ぐらい…でしょうか?でも、本当に欲しいものを彼は私に与えてくれたから…他には何もいらないんです。彼の―愛する人の心だけで女は満足なんです。…こんな話、参考に…なりますか?」
― あ、でも、女性って大抵はお花好きだから…。フョードルの真心と一緒にちょっとした花束とか添えてあげると…より嬉しいんじゃないかな?私の…ドイツの私の下の姉は、派手好きで贅沢を好む人でしたが、それでも、男の人のプレゼントの中でも、花束を貰うとやっぱり目を輝かせてましたから…。

ユリウスの話を、ランチもそこそこにじっくりと耳を傾けていたフョードルは、話し終わって「こんな自分の話なんて参考になるかどうか…」と少し恐縮して見せるユリウスに、

「ありがとう!ユリア。君の話はとても参考になったよ。それに…なんだかとても勇気が湧いて来た」
と優しい瞳を少年のようにキラキラと輝かせて彼女の両手をギュッと握りしめた。

―あ!おかみさん。こちらのお嬢さんにケーキ追加で!!

「それは、僕の気持ちだ。―僕は午後イチの会議があるから。ゆっくり食べといで!」

運ばれてきたケーキを前に、びっくり顔を見せているユリウスに、

「じゃあ!」

と一人先に食堂を後にした。
作品名:45 prelude 作家名:orangelatte