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永遠にともに〈グリプス編〉1

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そこにはヘンケンをはじめとする艦橋のクルーとアポリー中尉、ロベルト中尉そしてブライトが居た。
「ブライトさん!?」
シャアから何も聞いていなかったアムロは驚きのあまり目を見開いて固まる。
するとそのアムロに駆け寄ったブライトがアムロを思いきり抱きしめる。
「アムロ!!やっぱりお前か!!無事だったんだな!!」
「ブライトさん!」
「心配したんだぞ!よかった!本当によかった!」
ブライトはアムロの髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜながらアムロの顔を見つめ、また抱きしめる。
「生きてたんだな…。俺はもうダメかと…。」
アムロは涙ながらに言うブライトの言葉に疑問を覚える。
『ブライトさんは俺がどういう状態だったか知ってる!?』
「しかしお前は相変わらず童顔だな。昔とあんまり変わらんぞ」
気にしている事を言われ感動の再会ながらもムッとする。
「ブライトさんこそあんまり変わってませんよ。昔から老けてたけどようやく年相応って感じです。」
アムロの憎まれ口にブライトは噴き出す。
「負けん気の強いところは変わらんな!」
お互い顔を見合わせ笑い出す。
「しかし02号機のパイロットがアムロだとよく分かりましたね。」
シャアの言葉にブライトが笑う。
「戦時中何度も見ましたからね。間違えませんよ。(あなたの操縦も…)」
最後の一言はクワトロにだけ聞こえるように言う。
シャアは不敵な笑いを浮かべ「そうですか」と答える。
「積もる話もあるでしょう?ブライト大佐の部屋が用意できましたから案内します。」
シャアはブライトとアムロを連れブライトの私室へと案内する。

部屋に入ると、3人は備え付けのソファに座りブライトが大きく深呼吸をする。
「で、アムロ。どうしてお前がシャア・アズナブルと一緒にエゥーゴにいるんだ?」
突然の直球の質問に“さすがブライトさん”と思いながらもシャアに視線を送る。
「ブライト大佐。あなたはアムロがオーガスタ研究所にいた事をご存知でしたか?」
シャアの質問にブライトが一瞬ビクリとすると「ああ」と頷く。
「どういう状態であったかも?」
ブライトは視線をアムロに向けるとコクリと頷く。
「ブライトさん!?」
「戦後、しばらくしてアムロと連絡が取れなくなった。手を尽くして探したが俺の権限では限界があった。しかし、ミライが嫌な予感がするからなんとかアムロを見つけようと言い出してすでに退役していたカイ・シデンに連絡を取った。カイの方でもセイラから依頼を受けて調査していてな。ようやくオーガスタ研究所に辿り着いた。」
「俺を探してくれてたんですか?」
アムロが目に涙を浮かべてブライトを見つめる。
「当たり前だ!大切な仲間が行方不明なんだぞ!」
ブライトがコツリとアムロの頭を小突く。
「しかし、俺たちが見つけた時にはお前は半冷凍睡眠状態でな…。助手の研究者に協力を仰いでなんとかお前を連れ出したんだ。」
「なるほどな」
シャアが溜め息まじりに呟く。
「一研究員のアーネスト・フォースが1人であんな大掛かりな事ができるものかとずっと思っていた。協力者がいた訳だな。」
「ああ、研究所を出た後、中立コロニーのサイド6に移送させる予定だったが連邦の妨害にあってな。そのままお前を乗せた小型艇は行方不明になってしまった。その後いくら探しても見つからなくて…。正直最悪の事態も考えていた。しかし、ミライやセイラがお前は生きていると言い張るんでな。ずっと希望は持っていた。」
ブライトは優しくアムロを見つめるとその癖毛を撫ぜる。
「まさか、ジオンの要塞アクシズに向かったとは思わなかった訳だな。」
シャアの言葉にブライトが驚く。
「ジオンの要塞だと!?」
「ああ、アーネスト・フォースはアムロを連れてアクシズに亡命して来た。」
ブライトは天を仰ぎドカリとソファに身を沈める。
「まさか、ジオンに亡命とは…、見つからない筈だ。そこで貴方と会った訳か?」
「そう言う事だ。」
「…シャアに助けて貰ったんです。」
アムロがブライトを上目遣いで見つめて話す。
「あんな状態だった俺を蘇生して、匿ってくれて…。こうして今、俺は生きてる。この人のお陰なんです。」
ブライトはシャアを見つめて問う。
「アムロを救う事に戸惑いは無かったんですか?」
「そうだな。驚きはしたがアムロを救う事に戸惑いは無かった。」
「しかし、過去のわだかまりはあったでしょう?」
「無かったとは言わない。しかし、終わった事だ。それに気付いたのだ。好敵手として追いかけ、命を懸けて戦い、直に剣を交えた時、私はこのアムロ・レイという存在に惹かれていたのだと、心から欲していたのだとな。」
シャアは隣に座るアムロの肩を抱き寄せる。
それにブライトとアムロがギョッとする。
「ちょっ!シャア!いきなり何を!!」
「おい!シャア!」
「アムロ、さっき言っただろう?私は誰に見られても一向に構わんと。」
そういうや否やアムロの顎を掴み口付ける。
「んんん!!」
暴れるアムロと呆然とするブライトを尻目に更に口付けを深めていく。
ようやく唇を離すとブライトが真っ赤な顔で言葉にならない悲鳴を上げる。
「ブライト大佐。私はアムロを愛している。そして、アムロも私を愛してくれている。」
にこやかに告げるシャアにブライトは開いた口が塞がらない。隣のアムロも両手で顔を覆って俯いてしまう。
「なんだとーーーーー!!!」
グリーン・ノアから離れた空域を航行するアーガマの船内からブライトの悲痛な雄叫びが宇宙に響き渡った。


to be continued