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列車がサンクトペテルスブルグへ近づいて来る。

アレクセイ・ミハイロフは仲間の尽力を得て脱獄に成功し、雪と氷、飢えと死に満ちていたシベリアの強制収容所から6年を経て、ここサンクトペテルスブルグへと戻って来た。

アレクセイが自由を得たのと引き換えに―、まさに彼の脱獄決行日に起きた収容所火災で、苦難を分かち合った仲間たちが全員焼死するという、痛ましい出来事があった。

その事実に打ちのめされた彼に、脱獄を手引きした同志が叱咤して励ました。

― アレクセイ、志半ばに散った彼らのためにも、必ずや俺たちの手で新しい世の中を作ろうじゃないか…。祖国を解放して誰もが幸せに暮らせる世の中を実現しよう。

仲間の激励にアレクセイは涙ながらに、ただただ頷くことしかできなかった。