51 ガリーナ
1911年春―
ボリシェヴィキ党員、フョードル・ズボフスキーが、女性を連れて自分の所属先の支部に結婚の報告へ来た。
その女性はフョードルより一まわりほど若く、真っすぐな長い黒髪に大きな黒い瞳が可愛らしい人だった。
ズボフスキーに優しく肩を抱かれ、その場にいた同志たちから「おめでとう」「お幸せに」「フョードルには勿体ないぐらいの可愛い女(ひと)じゃないか!」などと口々に声を掛けられ、喜びに頬を僅かに紅潮させている。
「ユリア!」
同志の人の輪の後ろの方でその様子をニコニコと眺めていたユリアに、フョードルが呼びかけた。
「俺の嫁さんの…ガリーナだ。―ガリーナ、彼女はユリア。アレクセイのカミさんだよ。齢も近いから仲良くしてもらうといい」
「結婚おめでとうございます。初めまして。ユリア・ミハイロヴァです。お噂はかねがね」
そう言ってユリウスは握手の手を差し伸べた。
「ありがとう。―こちらこそはじめまして。ガリーナ…、ガリーナ・ズボフスカヤです。いつもフョードルから聞いております。綺麗で有能なアレクセイの奥様のこと…」
ガリーナが差し出されたユリウスの手を握った。
「お!ガリーナ!!来てたのか」
そこへ丁度外回りの任務からアレクセイが戻って来た。
「結婚の報告に、な」
「そうか…。おめでとう。ガリーナ、ズボフスキー」
「…ありがとう」
「そうだ!ちょうど昼時だ。せっかくガリーナもいるんだ。4人で昼にでも行こうや」
ボリシェヴィキ党員、フョードル・ズボフスキーが、女性を連れて自分の所属先の支部に結婚の報告へ来た。
その女性はフョードルより一まわりほど若く、真っすぐな長い黒髪に大きな黒い瞳が可愛らしい人だった。
ズボフスキーに優しく肩を抱かれ、その場にいた同志たちから「おめでとう」「お幸せに」「フョードルには勿体ないぐらいの可愛い女(ひと)じゃないか!」などと口々に声を掛けられ、喜びに頬を僅かに紅潮させている。
「ユリア!」
同志の人の輪の後ろの方でその様子をニコニコと眺めていたユリアに、フョードルが呼びかけた。
「俺の嫁さんの…ガリーナだ。―ガリーナ、彼女はユリア。アレクセイのカミさんだよ。齢も近いから仲良くしてもらうといい」
「結婚おめでとうございます。初めまして。ユリア・ミハイロヴァです。お噂はかねがね」
そう言ってユリウスは握手の手を差し伸べた。
「ありがとう。―こちらこそはじめまして。ガリーナ…、ガリーナ・ズボフスカヤです。いつもフョードルから聞いております。綺麗で有能なアレクセイの奥様のこと…」
ガリーナが差し出されたユリウスの手を握った。
「お!ガリーナ!!来てたのか」
そこへ丁度外回りの任務からアレクセイが戻って来た。
「結婚の報告に、な」
「そうか…。おめでとう。ガリーナ、ズボフスキー」
「…ありがとう」
「そうだ!ちょうど昼時だ。せっかくガリーナもいるんだ。4人で昼にでも行こうや」
作品名:51 ガリーナ 作家名:orangelatte