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永遠にともに〈グリプス編〉3

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「このパイロットやる!女性だからと侮ったらやられる!かなりの戦場を経験してるな。動きや射撃が物凄く正確だ!」
アムロはカミーユに意識を向けつつも目の前の敵に集中する。
マラサイの攻撃を瞬時に躱し攻撃を仕掛ける。
「恐ろしく正確な動きだ…しかしそれだけに…読みやすい!!」
アムロはマラサイの動きを見切るとその攻撃を避け右腕をライフルで撃ち抜く。
「何!!私の攻撃を避けた!?おまけにこの私が被弾!?」
マラサイは一旦零式から距離を取り態勢を立て直す。
「このモビルスーツ新型か?動きが速い!それにこのパイロット何者だ!!」
シェリーは動揺しつつも零式の動きを目で追う。すると隣でジェリドのハイザックが被弾しMK–Ⅱのサーベルがとどめを刺そうとしていた。
「ちぃ!ジェリド!」
シェリーは操縦桿を引きMK–Ⅱに向かうとライフルでサーベルを持つMK–Ⅱの腕を撃つ。
「カミーユ!!」
アムロが叫んでMK–Ⅱのフォローに入るとマラサイはハイザックの腕を掴み撤退する。
「待て!!ジェリド!!!」
「カミーユ!!冷静になれ!そんな状態で追ったらやられるぞ!!」
零式に行く手を阻まれたカミーユはパネルに拳を叩きつけた。
「クソっ!!」


戦闘が終わり次々とモビルスーツがデッキに着艦する。全ての機体が着艦したのを見届けるとアムロの零式とクワトロの百式が着艦する。
「クワトロ大尉!!」
コックピットから降り立つクワトロにエマが駆け寄る。そしてクワトロの横にアムロが並ぶ。
エマはドキリとするとクワトロを見つめる。
「説明をお願いします。」
「ああ」
と、クワトロはアムロの肩に手を置きエマに紹介する。
「アムロ・レイ中尉だ。知っての通りかつて1年戦争でガンダムのパイロットをしていた人物だ。」
アムロはヘルメット外すとエマに微笑む。
「アムロ・レイです。エマ中尉。よろしくお願いします。」
「こちらこそ…」
その笑顔に思わず聞きたい事も聞けず握手を交わす。
「そうだ!MK–Ⅱの調子はどうですか?扱いずらいところがあれば直します!」
「あ、いえ。びっくりするぐらい手に馴染んで、反応も以前とは比べものにならないくらい良くなっています!」
エマのその答えにアムロが満面の笑みを浮かべる。
「良かった!それじゃ、他にも何かあれば言ってくださいね!」
と言うとアムロはカミーユの元に行ってしまった。
「あっ…」
エマはその後ろ姿を呆然と見つめる。
すると横からクスクス笑う声がする。
「クワトロ大尉…」
エマは小さく溜め息をつく。
「どうした?エマ中尉」
「いえ、なんだか私が想像していたアムロ・レイとあまりに違うのでびっくりしました。」
「ほう?」
「なんて言うか、もっと偉そうで怖い印象だったんですけど実際はあまりにも…その…優しくて…可愛らしい人でびっくりしました。」
エマのその言葉にクワトロの眉がピクリとする。
「それにまさか彼がエゥーゴにいるなんて…。連邦軍が彼を手放すとは思いませんでした。」
クワトロが目を伏せる。
「彼は危険人物として連邦に幽閉されていた。それをブライトや元ホワイトベースのクルーによって助け出され、詳細は言えんが今、こうしてここにいる。」
「幽閉!?」
「ああ、連邦のお偉方にはニュータイプは異形の存在だったのだろう。」
クワトロの冷たい口調にエマはそれ以上何も言えなかった。
「それにしてもアムロは自分の事が分かっていなさすぎる。少し注意しておかねば。」
そう言うとクワトロはアムロの向かった先へ歩いて行った。
「あーあ。アムロの奴またクワトロ大尉からお仕置き食らうな。」
いつの間にか隣に来たロベルトが呟く。
「お仕置き!?」
驚くエマに横から来たアポリーが「何でも無い!気にするな!」と言うとロベルトの首根っこを掴んで引きずっていく。
エマは意味がわからず、ただ呆然と去っていく2人を見送った。
そして翌日、アムロは体調不良で勤務を休んだのだった。

to be continued.