endlessにささやいて
会えない日々に想いを募らせて、こんなにも君を求めている。
「だから今日は君をたくさん抱きしめてキスしたい。この想い、受け止めてくれますか?」
「わ、私で良ければ…」
「何を言ってるんですか? 君でなければ駄目なんです。それとも君は、こんな子供っぽくて卑怯な男は、嫌いですか?」
名前で呼んで欲しいなどと駄々をこねた上に、あれこれ理屈を並べて、挙句の果てに甘えたいなど。まったく子供じみていて、呆れられても仕方がなかった。
けれど春歌は、私の胸に顔を埋めたまま、恥ずかしそうに小さな声で、
「…大好き、です…」
そういう言葉は目を見て言って欲しいものですが、今の彼女には精一杯なのでしょう。
そんなところも愛しくて、私は彼女の髪を優しく撫でながら、耳元で囁く。
「ありがとう。私も、愛していますよ、春歌」
私は彼女を抱きしめる腕に力を込めた。
それから私達はしばらくの間、時が過ぎるのを忘れて、お互いの名前を呼び合いながら、甘く痺れる様なキスと、たくさんの愛の言葉を繰り返した。
作品名:endlessにささやいて 作家名:透野サツキ