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57 ミハイルの最期

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「ただいま~!あ、ファーター何してんの?」
― ぼくもムッターにくっつく~~!!

学校から帰って来たミーチャが(お尋ね者の活動家を親に持つ彼は公の学校へは通えなかったが、その代わりに、小さな頃から時折母子で訪れていたクリモワ神父の教会で市井の子供たちのために開かれている、学び舎のようなところへほぼ毎日通うようになっていた)、ソファの上で身体を寄せ合っている両親の姿を見て、鞄を放り出して駆け寄り、自分も長椅子に飛び乗ると、母親に身体を凭せ掛けた。

「あはは…。もう!うちの男性陣は甘ったれだなぁ!」

両脇に夫と息子を従え、ユリウスが嬉しい悲鳴を上げる。

「あ!…これって…」

左手にアレクセイの頭、そして右手にミーチャの身体を抱き寄せたユリウスが何かに気が付いたように口を開く。

「これって?」

「なぁに?ムッター」

二人がユリウスに続きを促した。


「両手に…花?」

ユリウスの碧の瞳が悪戯そうに輝いた。
作品名:57 ミハイルの最期 作家名:orangelatte