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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅰ

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<鍵>


  「はい。」

進は三浦の地下都市でユキに一枚、カードキーを渡した。

  「これ…」

ユキが受け取りながらひょっとして、という顔をする。

  「そう、3枚もらったから…1枚はユキの。」

進はそう言って2枚見せる。

  「1枚はここに仕舞っておこうね。」

そう言って進の両親が使っていたチェストの引き出しの中の下の方に入れた。

  「まさかタオルの入ってるチェストの引き出しの中に大事なものが入ってるなんて思わないだろ?」

進はそう言いながらを引き出しを閉めた。

  「ありがとう…。」

ユキがとても大切なものをもらったように両手でそのカードキーを包んで見つめている。

  「ユキ、たかが部屋の鍵じゃないか。それに二人で住むんだし。」(進)
  「朝起きて古代くんが横にいるなんて…それが毎日になると思うと信じられなくて…。」

ユキの瞳から涙が零れ落ちた。

  「ユキ…。」(進)
  「こうして一緒の空間にいる事自体信じられない時があるのに…。」

ユキの言葉を聞いて進がユキを抱きしめる

  (そうだ、当たり前の幸せなんてないんだ。)

しあわせの絶頂で踏みつぶされてしまった兄とスターシアの事を思うとこうして二人でいられる事がどれだけ幸せか進は腕の中のぬくもりを強く抱きしめる

  「そうだね…。」

自分も有事の時はいつでも飛ぶ準備をしている。この先あの連中が地球を攻めてこないなんて保証はどこにもないし別の星の誰かが地球を狙っているかもしれないのだから。

  「でも、ユキは俺にとって帰る場所だから…。」

進の言葉にユキがピクリと体を震わせる。

  「大丈夫、俺は何があってもユキの所へ帰って来るから。」

進の腕の中でユキは何度もうなずいた