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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅰ

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  「カントリー調も憧れるけどやっぱり白って落ち着くわね。」

床の色が白に近いクリーム色だったので同系色でまとめる事にした。ソファーは薄いベージュ色、ダイニングテーブルとイスは白。テレビは壁に付けるタイプにして翌日取り付けをしてもらう事にした。センターラグもクリーム色で統一。部屋が明るく見えるだろう。

ダイニングのカーテンは若草色。寝室はブラウンで落ち着く色にした。

  「あの部屋、ベッド入るかしら?」

ユキがちょっと不安そうに聞いた。

  「組立だから大丈夫だよ。作業ロボットが組み立ててくれるし…明日が楽しみだ。
   食器もキッチン用品も全部運び込まれる。明日は忙しいぞ?」

進がやけに上機嫌だ。結婚式の直前に家具選びに行った日とは雲泥の差だ。

  「どうした?」

少し考えるような仕草を見せたユキに進が心配そうに声を掛ける。

  「ううん、幸せすぎて怖いなって。前に家具を見に来た後…まさか地球が危なくなる
   なんて思わなかったから…。」

白色彗星との戦いを進も思い出した。

  「…あの時は変な夢も見てたし…嫌な予感がずっとしてて…ユキに悪い事をしたって
   今も後悔してる。新居が決まってこうしていろいろ決めて行くと本当に楽しくて。
   あの時のユキの気持ちよくわかるしその後の気持ちを考えるとひどい事をしたって
   でも、あの事があったから今があるし。なんだかうまく言えないけど…。」(進)
  「いいの、古代くん。私なにも後悔してないから。今が幸せでも明日が幸せかどうか
   なんて誰もわからない。だから今日の幸せをしっかり実感したいの。」

ユキが笑顔で答える。

  「サーシァちゃんは元気にしてるかな…。」

ユキがポツリとつぶやいた。

  「元気にしてるよ。きっとね。兄さんが一緒だし真田さんと佐渡先生も一緒だ。
   アナライザーもついてる。ユキの分も面倒見てるさ。」(進)
  「そうね…。」
  「ここだけの話、食事の世話のために幕さんが派遣されるらしいよ。昨日幕さんから
   メールが着てた。」(進)
  「幕さんが行ってくれるなら安心ね。真田さんじゃ食事の時間忘れそうで心配だわ。」

ユキが訓練時代を思い出す。

  「ふたりとも夢中になると何もかも忘れそうだな。」(進)
  「正解!真田さんと居ると時間が早く流れて…それだけ充実してたの!」

ユキに笑顔が戻った。

  「さて…お嬢様、買い忘れた物はありませんか?」

冷蔵庫は備え付けのモノがある。洗濯機と自動掃除機、リネングッズも買ってシャンプーやリンス、ボディシャンプーも買った。歯ブラシから何から何まで全部新品。新しいパジャマも買った。

  「なんだか新婚さんみたい。」

ユキが嬉しそうにつぶやく。

  「いつか…ちゃんと形にしよう。」

進はそう言うとユキの手を握った。

















買い物当日はルームクリーニングが入るようになっていた。翌日配達の家具が入って来ても大丈夫なように。




そして…翌日。


配達の業者がロボットを使って買ったものを運び入れる。さすがはロボット、大きなベッドもどんどん組み立ててあっという間に大きなひろいベッドが出来上がった。そして別のロボットが食器を備え付けの食洗機に入れスイッチを入れる。その間にソファーが運ばれてテレビが壁に付けられた。
オーディオセットもしっかりセッティングされ照明もつけられた。カーテンも付いて一気に人が生活できる空間になった。





  「ありがとう。」

ふたりは作業を終えたロボットにお礼を言うと玄関の扉を閉めた。

  「なんだか一気に生活感がでたな。」

キッチンにケトルが置いてあり壁にはフライパンが掛けてある。白い食器棚に真っ白なお皿が並び仲良く色違いのマグカップが目立つ所に置いてある。広いリビングにソファーがあって足元にはふかふかのラグが敷いてある。

  「信じられない…。」

ふたりで暮らすという事に実感のわかないユキがリビングの入り口で立ち止まってつぶやいた。

  「なにが?」

進がユキの後ろに立って聞いた。

  「何もかもが。夢だったらどうしよう…。」

訓練航海のあとすぐに実家へ行きふたりで暮らす事を許してもらった…後はふたりの荷物を寮から運び込めばいいだけ。

  「古代くん、本当に私でいいの?」

ユキが振り返って進に聞いた。

  「え?」(進)
  「本当に私でいいのか不安になっちゃって…ほら、私何もできないでしょう?」

語尾は聞き取れないぐらい小さな声だった。

  「何もできないのは俺の方だよ。ユキがいないと何もできないダメな男だよ。
   朝一緒に起きてコーヒー飲んで朝ご飯は買えばいい。お昼なんて便利な食堂がある。
   無理しないでふたりでいる時間を大切にしよう。」