71 utopia
「バカだな・・・おまえには赤毛が一番似合うって言っただろ?俺は・・・赤毛のおまえが好きなんだ」
「ヒュ~、ザハロフさん、カッコいい!」
「はぁ・・・いいお話ですね~、羨ましい~」
「ふ~ん・・・しかーし、結局金髪病は治らず!」
「いいのよ・・・私のところに帰って来てくれる。それだけで幸せだわ・・・」
「赤い糸ならぬ、赤い毛が紡いだ縁ですか・・・最初から二人は結ばれる運命だったのですよ。神様は遠回りをさせることで、あなたの尊さを旦那さんに教えてくださったのでしょう。夫婦のありさまはそれぞれ、想いのカタチもそれぞれ、二人だけに通ずるものがありますね。そして日々暮らしを共にしながら他人同士が家族となっていく・・・私は、ここでいろいろな家族を知ることになって・・・自分は亡くなった夫と果たして家族になれていたのかなどと考えてしまいますよ」
「おじいさまとの恋のお話しも聞きたいな!」
「恋ねえ・・・恋だったのかねえ?」
4人は再び身を乗り出す。
いつの世も、女たちの井戸端会議に終わりは見えてこない・・・。
「なあ、ミーチャ・・・やっぱおまえの母ちゃんの金髪は、俺の死んだ母さんの金髪の次に綺麗だな~。生きてる人間じゃあダントツ一位!」
「はあ・・・・・」
作品名:71 utopia 作家名:orangelatte