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永遠にともに〈グリプス編〉6

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「けれど…、これから兄はまた茨の道を進まなくてはいけない。アムロがいれば良いけれど、もしもアムロを失ったら…、兄は道を見失い、また間違った方向に進んでしまうかもしれない…」
「セイラさん…」



シャアがアーネストの元に行くと、アムロは隣の部屋で眠っていた。
「催眠療法はかなり精神を消耗しますから…睡眠薬で眠らせました。」
「そうか…。それで、私に話とは?」
「はい。まずは、アムロ君の頭に埋め込まれたチップですが、摘出は難しいけれど、外からプログラムをdeleteする事は可能だと思います。2日ほど時間を頂ければ出来ます。時間は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。頼む」
「わかりました。」
「しかし、よく地球に降りられたな。」
サイド1にいると思っていたアーネストが地球に降りていたことに驚きを隠せない。
「アムロ君の生存が研究所にバレたと同時に僕の生存も疑われたので、アムロ君のデータとナナイさんのメッセージを持って、キグナン軍曹とカイさんの手を借りて、アルテイシアさんの元に身を隠していたんです。」
「なるほどな。それでカイ・シデンがデータを私の元に届けに来た訳だ。」
「ええ、僕がお願いしました。」

そして、アーネストは小さく深呼吸をし、眉間に皺を寄せると、話を続ける。
「それから…、アムロ君が言っていた、ある人物の命令を聞くように刷り込まれた暗示の件ですが……おそらく…」
一呼吸起き目を閉じ、心を落ち着かせる。
「おそらく…その男に強姦されながら行われたと思われます。ですから、それを解くには…」
アーネストが言葉を濁す。
その、言わんとする事を理解すると、シャアが頷く。
「愛のあるセックスで暗示を上塗りしろと言うことか?」
アーネストは大きく溜め息をつくと、
「そうです…。」
と少し不本意に答える。
本当ならば自分がその手助けをしたい。しかし、アムロが求めているのは自分では無く、目の前のこの男なのだ…。
「分かった。試してみよう」
「ただ…、先ほどの催眠療法の様子では、おそらく、アムロ君は貴方に対して罪悪感を抱いていると思います。ですから、その辺りも考慮して慎重にお願いします。」
「罪悪感などアムロが感じる必要は無いのに…。」
「状況はどうあれ、恋人以外の者に抱かれてしまったという事実は、アムロ君の心に深い傷を負わせてしまっています。」
「そうだな…。了解した。ありがとう」
シャアは眠るアムロを大切そうに抱きかかえると、用意された部屋へと歩いて行った。



頭を撫ぜる暖かい感触に意識が浮上していく。
ゆっくりと瞳を開けると、そこには愛しい人の笑顔があった。
「シャア…」
その笑顔に自然と笑みが溢れる。
「目が覚めたか?側に居るからまだ眠っていて良いぞ。」
アムロはそっと首を横に振り、ギュッとその逞しい胸に抱きつく。
「夢じゃないんですよね…」
懐かしいシャアの体臭を感じてアムロが力を抜く。
「ああ、やっと君をこの手に取り戻せた。もう二度と離さない。覚悟しておけ?」
少し戯けた仕草に笑みが溢れる。
「ふふ、オレももう離れません。」
2人は強く抱きしめ合うと、どちらとも無く唇を寄せ、深く口付け合う。互いの唾液を混ぜ合わせ、舌を絡め合うと段々と意識が蕩けていく。
「アムロ…愛してる」
シャアの言葉にアムロの表情が少し陰る。
「シャア…オレ…、オレ…あいつに…。」
震えるアムロの身体を強く抱きしめる。
「忘れろ!アムロ。あいつの痕など私が全て上書きしてやる。それに、君の心が穢された訳では無い。君は美しいままだ。」
シャアの言葉にアムロの瞳から涙が溢れ出す。
「シャア!シャア!お願いだ。忘れさせて!そして、貴方でいっぱいにして!」
アムロはシャアの頬を両手で包み込み、そのスカイブルーの瞳を見つめて訴える。
「ああ。私が忘れさせてやる。君は私だけのものだ。愛してる…愛してる。」
シャアは優しくアムロの肌に触れると、丁寧に1つずつ愛の証を刻み込む。
そして、胸元の飾りに唇を寄せるとキュッと吸い付き、軽く歯を立てる。
「あっ…んっ」
その反応にシャアは己の欲望が膨れ上がるのを感じる。
何度もそこを愛撫し、ゆっくりと唇を下へと下ろしていく。
そして、少し勃ち上がったアムロの中心にそっと口付けると、そのまま口に含んだ。
「あああっ」
アムロは首を仰け反らせ、その快楽に耐える。
シャアは舌を巧みに使い、アムロを快楽の絶頂へと導く。
「シャ…ア…、もう…んん!」
アムロは身体を大きく痙攣させ、白濁を腹に吐き出した。
「あああっ」
シャアはぐったりとしたアムロの身体をうつ伏せにすると、アムロの吐き出した白濁を使い、蕾を解していく。
その指の感覚にアムロがビクリと身体を震わせる。時折、アムロの敏感な部分を指でなぞり、快楽を深めていく。
そして、アムロの耳元で何度も「愛している」と囁く。そう、暗示をかける様に何度も何度も…。
そして、指を三本ほどに増やし、充分に解れたところでアムロを上向きにして、優しく口付ける。
そして、アムロの瞳を覗き込み、その瞳に自分が写っている事を確認すると、ゆっくりとアムロの中に身を沈めていく。
「あああ!んっ、シャ…ア」
自分の首にしがみつくアムロに愛しさが込み上げる。
「アムロ…!愛してる。私を感じてくれ!!」
自身を根元まで沈めると、アムロを強く抱きしめた。
「シャア…、オレも…愛してる…。貴方を…心から愛してる。」
互いに視線を合わせると、そのまま唇を寄せ口付ける。そして、ゆっくりと抽送を繰り返し、自身をアムロの感じる場所に擦り付け何度も刺激する。
「あああっ!あんっやぁあ」
そして、アムロに絶頂が近付くのを感じると、最奥を激しく突く。その刺激にアムロが背を反らしシャアの背に爪を立ててしがみつく。
その背中の痛みに煽られ、シャアの動きは更に増し、アムロを求める。
「アムロ!アムロ!愛してる」
シャアの言葉と、全身から伝わる激情にアムロの意識が蕩けていく。ニュータイプ同士だからこそ伝わるお互いの激情。
シャアもアムロから自分を求める激しい感情の波を受け取る。
それは身体に感じる快楽と共に心までも満たしていく。
「シャア!愛してる。貴方無しでは生きられないんだ!お願い!オレを離さないで!」
「離すものか!君は髪の一筋まで全て私のものだ!」
互いに強く抱きしめ合い、同時に熱を吐き出した。
荒い呼吸を吐きながら互いの熱を感じ合う。
その夜は、何度も熱を分かち合い、愛を確かめ合った。
そして、薄っすらと朝の日差しが差し込む中、シャアは腕の中で眠るアムロにそっと口付け、耳元で囁く。
「辛い事など全て忘れてしまえ。君の笑顔が私を満たし、支えてくれる。愛してるよ。アムロ…」
少し微笑んだ愛しい人を見つめるとホッと息を吐き、ようやく眠りについた。



ーーーーー
2週間後、ダカールで行われた連邦政府議会でシャアは世界に、宇宙に向けて己の思いを説き、素性を明かした上で、エゥーゴの代表として演説を行った。
その演説は連邦政府にティターンズの配下になる事を留まらせ、世の中にティターンズの悪行を知らしめた。


その演説をセイラは自宅のテラスで、海を眺めながら悲痛な表情で聞き入る。