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永遠にともに〈グリプス編〉7

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2機は凄まじく早い動きでビームを連射し、接近してはサーベルで斬りつけ合う。
「このパイロット、戦いを楽しんでいる?!」
ヤザンの思惟を感じてアムロが眉を顰める。
すると、サーベルで打ち合いながら接触通信でヤザンがアムロに話しかける。
《零式のパイロット!!俺はヤザン・ゲーブルだ!貴様の名前を言え!!》
ヤザンは己と互角以上の戦いをするパイロットに興味を持つ。
戦いを楽しむヤザンにアムロはムッとしながらもそれに答える。
《アムロ・レイだ!》
《アムロ・レイだと!?》
聞き覚えのありすぎる名前にヤザンは一瞬驚くと、クククと笑い出す。
《はははは!!アムロ・レイ!連邦の白い悪魔か!!なるほどな!!最高だ!!》
ハンブラビは零式と激しくサーベルで打ち合いその戦いを楽しむ、しかしそこにシロッコから撤退命令が下る。
《ヤザン・ゲーブル!撤退だ!引け!!》
その命令に「チッ良いところで!!」と盛大に舌打ちをすると、最後に零式に向けライフルを撃ち放つ。
《アムロ・レイ!!続きはまた今度だ!》
そして、変型するとその場を離脱した。
それを見つめ、アムロはグッと操縦桿を握りしめる。
「ヤザン・ゲーブル…あいつ戦いを楽しんでる」
苛立つ気持ちを抱えアムロはアーガマへと帰艦した。
コックピットから降りるアムロをシャアが下で腕を組んで待ち構える。
「あ…。さっきのハマーン様との事…怒られるんだろうなぁ」
アムロは溜め息を吐きつつシャアの元へと降り立つ。
「アムロ。私の言いたい事は分かっているな。」
シャアから怒りの思惟を感じて思わず目を逸らすとシャアから叱責が飛ぶ。
「アムロ!」
「…はい…。」
その様子を見兼ねたアポリー中尉が2人の間に入り、シャアに向き合う。
「クワトロ大尉。少し落ち着いてからではダメですか?アムロ中尉も今の戦闘で疲れていますし…」
アムロの様子に、シャアは溜め息を吐くと「わかった」と答え、
「私はブライト艦長の所に行ってくる。アムロも落ち着いたら艦橋に来るように。」
「…分かりました」
アムロが答えるとシャアはそのまま背を向けモビルスーツデッキを後にした。
それにホッとしたアポリー中尉がアムロの肩をそっと叩く。
「なんか訳ありなんだろ?とりあえず落ち着いたら正直に全部クワトロ大尉に話せよ。」
「はい…。ありがとうございます。アポリー中尉」
「おう!じゃあな!」
アポリーが軽く手を振り去って行く。
アムロはノーマルスーツの襟元を緩め、ハマーンに口付けられた口元を手で覆い、壁にもたれ掛かり大きく溜め息を吐く。
「はぁ…」
『ハマーン様…』
「ハマーン・カーンもニュータイプなんですね。」
そんなアムロにカミーユが話しかける。
「カミーユ。」
「あの時、アムロさんとハマーンが共感しているのを感じました。」
その言葉に、シャアとカミーユは一体いつから見ていたんだろう…。と、頭を抱える。おそらく、キスをする直前、ハマーンが自分の肩越しに入り口付近に視線を向けた時には居たのだろう…。アムロは大きく溜め息を吐くとカミーユに答える。
「ああ、そうだよ。ハマーン様はおそらくカミーユに匹敵するくらい高いニュータイプ能力を持っている。タイプ的にもカミーユととてもよく似ているよ。」
「僕と?」
「ああ、自分が意識しなくても周りの思惟を感じ取ってしまう。大分コントロールはできるようになっていたけど…。そんな状態であのアクシズを1人でまとめ上げてきたなんて…。」
「アムロさん…」
カミーユが辛そうな表情のアムロを心配気に見つめると、それに気付いたアムロが、そっと微笑む。
「心配掛けてごめんな。シャワー浴びたら艦橋に行って説明するよ。」
そう言うと、アムロは自室へ向かい、モビルスーツデッキを後にした。

to be continued.